増値税、営業税の徴収基準引き上げ策は、課税面で中小企業の発展を奨励するもの。写真は福建省の民営企業、恒安グループ有限公司の生産現場 |
本誌記者 蘭辛珍
2009年1月1日から中国は全国規模で増値税の改革を実施することになり、増値税という中国最大の税目は生産型から消費型へと転換する。11月11日に財政部が明らかにしたように、国務院常務会議は財政部、国家税務総局が提出した増値税転換改革案を認可した。
増値税は中国が1984年から徴収を始めた税目で、当時は改革開放の初期に当たり、政府が財政収入を増やし投資の拡大を抑えるため、生産型の増値税徴収の道を選択した。現在、増値税を徴収する140余カ国のうち、ほとんどの国では消費型の増値税を実施している。生産型増値税と消費型増値税との根本的な相違点は、消費型増値税では固定資産投資の税額を相殺控除し、企業の負担を軽減することができることにある。
財政部財政科学研究所の賈康所長の話では、過去20余年間に増値税は財政収入の保障に積極的な役割を果たしてきた。増値税は中国の主な税源である。財政部が発表したデータによると、今年上半期、中国の増値税収入は総税収の30%を占める9484億2300万元に達した。
生産型増値税の場合は企業が固定資産購入時の税額を控除することが認められないため、二重課税問題が存在し、企業の技術改良の意欲を抑え、ここ数年来、増値税を生産型から消費型へと転換させるよう各界からの声が高まっていた。2004年7月1日から、中国の東北地区と中部地区などの地区ではすでに増値税改革の試行を始めていた。
賈康所長は、「国際金融危機が中国の経済発展にマイナス影響をもたらす中で、企業の設備投資と生産拡大を促進し、中国経済の安定した速めの成長を保つための重要な措置として、増値税転換改革の全面的な推進は企業の設備更新と技術のグレードアップを奨励し、企業が長期にわたって市場の投資主体になることを推進するのにプラスとなる」と言う。
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