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本誌報道  
寧夏回族自治区 心誘われる沙漠観光

 

沙漠でバードウォッチング 沙湖旅游区

「沙湖旅游区」は銀川市と石嘴山(せきしさん)市の間にある国家5A級(注1)の観光地。銀川市から東北に56キロ、石嘴山市から30キロのところにあり、銀川市内からは石中高速道路で約40分、銀川市南門などから30分に1本、バスも出ている。国道109号線と包蘭鉄道(包頭─蘭州)がそばを通っており、京蔵高速道路(北京-ラサ)を使えば北京から直接旅游区に行くこともできる。

旅游区で観光のために開発されているのは80.1平方キロだが、そのうち45平方キロは平均水深が2.2メートルの水域(湖)で、22.52平方キロは沙漠だ。ここは銀川平原にあり、寧夏回族自治区を囲む騰格里(テンゲル)沙漠、烏蘭布和(ウランブハ)沙漠、毛烏素(モウス)沙漠とはつながっていない。ここに形成された沙漠は賀蘭山西の内蒙古自治区の巴丹吉林(バダインジャラン)沙漠から風に飛ばされてきた沙が堆積したのではないかと見られている。

沙湖の成り立ちについてはさまざまな伝説があるが、その1つは次のようなものだ。昔々、海竜王と地竜王が人間界の見回りをしていたときのこと。沙湖のあたりまで来たとき、このあたり一面が干上がっているのを見て旅行者に身をやつして先に進んだ。当時、ここの人々は苦しく辛い毎日を送っていたにもかかわらず、わずかな食糧をこの2人に分け与えた。そこで感動した2人の神仙のうち海竜王が、持っていた宝のヒョウタンから1滴の酒を地面に落とした。すると、これがなみなみと水をたたえた沙湖に変わった。一方、地竜王は、地面から1本の草を引き抜き湖に投げた。すると、湖の中にうっそうと葦が茂り始めた。

実際には、排水溝のないなかで山津波などによっていくつかの堀の水が長期にわたってたまり、ここのくぼ地に大きな湖を形成させたと見られている。

沙湖には葦の生えているところが300ヘクタール余りあるが、そのうちの1割を飛来する鳥の住処「鳥島」として残している。そして、この「鳥島」から約20メートルのところには高さ18メートルのバードウォッチング用展望台が設けられ、高倍率の望遠鏡が備えられて数百人が鳥の観察をできるようになっている。沙湖に飛来する鳥は中国の国家1級保護鳥類(注2)に指定されているノガン、コウライアイサ、ナベコウ、オジロワシなどのほか、オオハクチョウ、コハクチョウ、オシドリなど約130種類150万羽で、毎年4‐5月および9-10月に多く見られ、展望台からは数万羽を肉眼で見ることができるという。鳥島ではコウノトリ目サギ科の鳥を中心に、アオサギ、ムラサキサギ、ゴイサギ、コサギなど7種類の鳥がそれぞれの場所を確保して営巣している。なかでもアオサギは最も数が多く3月末から11月にかけて見られる。

また、沙湖旅游区では水上落下傘(モーターボートで引っ張って水面から50メートル前後の上空まで上げてから落水する)や水上モーターボート、ボードに座って滑りおりるサンドスキーなどが楽しめるほか、沙漠の中を北京汽車のジープでドライブしたり(免許証のある人は自分で運転も可)、駱駝に乗って昔の隊商気分を味わったりすることもできる。

葦の茂る湖の向こうは砂山

沙漠をジープで。ちょっとしたパリ・ダカ気分?

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