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本誌報道  
“沙漠改造と収入増”両立に挑む寧夏

寧夏においては「退耕還林」プロジェクトは生態系の保護という側面とともに、「貧困救済」の側面も持っている。「退耕還林」実施後、それまで天候だけに頼って耕作を行ってきた傾斜度の高い棚田には草や木々が植えられ、農家には棚田の面積に応じて補助金と穀物などの現物支給がなされ、耕作をやめた農民は都市へ出稼ぎに出ることになった。寧夏林業局の資料によると、寧夏南部の山間地区では転出した労働力が1999年の延べ30万7300人から05年には延べ56万1000人へ、世帯あたりの年間収入は99年の4107元から05年には6239元へとそれぞれ増加、6年間で25万人以上の労働力が都市へと流れ込み、農民労働者として現金収入を得たことになる。寧夏では林に戻すべき傾斜度25度以上の棚田がまだ33万3000ヘクタール余りあり、今後もそこに木や草を植えて林地、草地にする息の長い生態環境整備が続けられていく。

山中の道にも散水車で水をまき、道路の清掃と育ってきた緑の保護に努めている(固原市彭陽県で)

 

50年後の寧夏は?

寧夏回族自治区にはこのほかにも、自治区北部石嘴山市の賀蘭山東麓に扇形に広がる北武当生態旅游区や星海湖など、環境整備の成果が目に見えてきている地域が随所にある。北武当ではそれまでゴビ沙漠だったところを1997年から整備し始め、毎年植樹を行い11年間で1300ヘクタール以上を緑化したという。ゴビ砂漠で木々を活着させることは難しく、1本の木を活着させるため、80センチ四方の穴を掘って土を換えたあと、植える木の根元に吸水管を埋めるという作業を1日がかりで行うという。

石嘴山市の北武当生態旅游区でも10年に及ぶ努力が実を結びつつある

 

時間を追いかけ、時間に追われる都市生活者には想像もつかないようなねばり強い努力が、沙漠化を食い止めるために、ここ寧夏の地で今日も行われ、明日も続けられていく。それは全世界で進行する気候変動という地球全体の緊急事態に挑む努力であり、その地道な努力は将来、必ず大きく報われるときがくることだろう。50年後の寧夏全体が、緑一色のオアシス都市になっていることを期待している。

「北京週報日本語版」2008年9月23日

 

 

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