北京は五輪経済の直接的受益者で、垂直的に五輪の経済効果を分かち合うことができる。2800億元の投資は交通インフラ、競技会場、環境保護、情報通信などの面に分布して行った。北京は10年近くGDPの年平均成長率を10%に維持している基盤の上に、五輪の大規模な建設が毎年2~4ポイント上乗せされ、さらに30万の就業機会を創出した。五輪特需を受けた典型的な業界は観光業・運輸業・小売業などだ。
五輪効果は一般に2つの面で開催国の観光市場の発展を後押しする。短期的には直接観光客を増やし、中長期的には観光ブランドや観光施設など観光資源の建設や整備に大きな促進作用を果たす。北京に今年訪れる外国人観光客は一昨年よりも23%増の480万人、観光による外貨収入は一昨年よりも20%増の48億ドルに上る見込みだ。人とモノの流れが短期間に集中することで運輸業の発展を刺激し、特に航空便を始めとした交通便では出場選手や世界各地からの観衆などによる旺盛な需要を維持することになる。
建築業は五輪工程建設を請け負う業界で、その利益を第一に享受する業界。北京市の都市建設の投資額は1800億元と記録的な数字を残した。その巨額投資は、建築業の発展における巨大な市場の需要を与えている。予測によると、2003年から2008年までの北京の建築業の総生産値は5千億元に達しようとしており、8万もの人に就業の機会を与えている。また、五輪競技会場の建設における、新たな構造・技術・資材の使用や環境保護の基準の向上は建築技術のレベルを向上させることとなり、建築業全体のレベルや総合的な実力の向上に役立った。また、建築業全体のレベルアップを推進し、国際市場でのさらなる展開に有利なものとなった。
小売業からすると、五輪は主に2つのビジネスチャンスをもたらす。▽まず、五輪グッズの専売店に収益をもたらし、▽次に、観光客が増えることで現地の消費が増加する――というチャンスだ。
中国にとって五輪のプラス影響は消費のグレードアップと伴に、小売業に長期的な利益を生み出す。北京五輪グッズの販売総額は今年80億元にのぼる見通しだ。(編集KA)
「人民網日本語版」2008年8月4日 |