清華大学・劉江永教授
今年5月、胡錦濤主席による訪日の「暖春の旅」が成功裏に実現し、中日関係は新たなスタートラインに立った。中日両国は一衣帯水の隣国であり、東アジアにおける大ファミリーの構成員である。2006年以降、中日両国の指導者は相互訪問を強化し、「氷を砕く旅」から「氷を溶かす旅」、「春を迎える旅」、「暖春の旅」に至るまで、2年足らずで中日間の政治関係は明らかな改善を見せた。
中日両国民間の心の和解をいかに実現し、21世紀における中日友好の新時代をいかに切り開いていくかについて、私は、中日双方が隣国としての徳を具えた付き合いの道を探る努力をすべきだと考える。具体的に言えば、「隣人の嫌がることは避け、隣人が楽しめば自らも喜び、隣人が困ったときは助け、隣人が悪さをしようとしたらこれを防ぎ、隣人のよい行いはこれに学ぶ」ということだ。
中日両国の国民感情の改善と相互信頼関係の確立には、次の8つのことが必要である。第1に、中日両国政府が政策的な持続性を維持し、4つの政治文書の精神を守り、両国政治関係の改善と発展をたゆまず促進させること。第2に、両国のメディアが全面的かつ客観的に相手を認識するよう努力し、両国国民の感情を正しく導くこと。第3に、中日の国民感情を引き離すことになった過去の経験と教訓を汲み取り、たゆまず友好的な感情を積み重ねていくこと。第4に、誠意と智恵をもって戦後まで残された問題を解決し、心の和解を実現すること。第5に、交流の拡大を通して、両国間の敏感な問題を創造的に解決すること。第6に、現実的な矛盾を回避せず、情勢の変化に応じて中日間の構造的な矛盾を徐々に解決していくこと。第7に、情報化と民主化によって引き起こされる国際的・公的関係における問題を高く重視すること。第8に、中日両国は北京五輪大会を、民間友好を増進させるチャンスと捉え、中日の民間友好交流を引き続き強化していくこと。
「北京週報日本語版」 2008年8月 |