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四川被害地区:記憶の中の都市  
臥竜

——パンダの生息地

ジャイアントパンダは中国特有の希少な、絶滅の危機にある活きた化石といわれる動物だ。ぽってりとした体つき、おとなしい性格から、世界の人々に愛されている。

中国は世界で唯一、野生のパンダが生息する地区で、なかでも四川省は主要な生息地。生息する面積は約2万平方キロ、頭数は約1200頭で、中国全体の80%以上を占めている。四川省は世界で初めてパンダが発見されたところで、頭数やパンダ自然保護区の数が最も多い。2006年7月12日、ユネスコ第30期世界遺産委員会は、四川省のパンダ生息地を世界自然遺産に指定することを採択した。生息地には臥竜と四姑娘山、夾金山脉が含まれており、面積は9 245平方キロで、成都や阿壩、雅安、甘孜の4市(州)の12県にまたがる。この土地は人類共通の財産でもある。

ここでは、幼いパンダから各成長期のパンダを見ることができる。日常生活の様子を観察したり、生活上の習性を理解したり、野外でパンダが歩いたり、滞留したりしていた跡を探すのも格別の楽しみだ。

臥竜パンダ自然保護区

阿壩州汶川県内にあり、面積は2 000平方キロ。最も早く設立された面積最大の、パンダと高山森林生態系の保護を中心とした総合的な自然保護区である。1980年にユネスコの「人と生物圈」保護区に指定され、同年には世界野生生物基金と協力して中国パンダ保護研究センターが設立された。世界自然遺産「臥竜·四姑娘山·夾金山脉」のパンダ生息地で最も重要な保護区。

臥竜自然保護区はパンダが最も集中している原始的な生息地でもある。現在、143頭の野生のパンダが生息しており、世界の野生パンダ種の10%を占める。保護区内にあるパンダ研究センターでは121頭が飼育されている。科学研究の水準は世界で最も高く、パンダの生命力は最も強く、規模最大のパンダ人工飼育繁殖基地であることから、「パンダの故郷」とか「パンダの家」「パンダの王国」とも呼ばれている。

観光客は野生のパンダが歩いたり、滞留したりしていた跡を探したり、生息環境や生活上の習性を理解したりすることができる。正河溝—銀竜峡谷で、パンダの共生動植物を観賞したり、耿達鎮で代々パンダを守ってきたチベット族、チャン族の独特な文化と民俗情調を体験したりするのも楽しい。「パンダの部落」と呼ばれる幸福溝では、国際青少年エコ教育基地やパンダ繁殖育成センターを見学したり、臥竜で原住民のような生活を体験したりすることもできる。「パンダの王国」と呼ばれる巴朗山の頂上で、臥竜の全貌や日の出、雲海、雪山、草地などの奇観を観賞するのもいいだろう。パンダの科学考察を目的とする観光者のキャンプ——臥竜山庄で素朴な生活を体験、鄧生溝で高山の生態と地質の垂直分布景観を観賞し、野外スポーツやエコ観光にも参加できる。

成都パンダ繁殖飼育研究基地

成都市北郊外の斧頭山にある。パンダなどの希少で絶滅の恐れのある野生動物の保護を主体とする基地の1つ。世界最大のパンダのエコ楽園でもある。基地には稀少で絶滅の危機にある野生動物をテーマにしたパンダ博物館がある。

基地は造園の手法を駆使して、パンダの野外生息地の環境を真似て造られた。山の風景と美しい人工の景観が一体となっており、パンダと親しみ、自然に回帰するには格好の場所だ。

中国パンダ保護研究センター雅安碧峰峡基地

碧峰峡景勝地にあり、雅安市から17キロ。面積は4平方キロ以上。観光と科学研究、パンダの繁殖飼育が一体となった基地だ。第1期工事の投資額は2760万元。パンダ科学研究センター、パンダ病院、パンダ育幼センター、パンダ繁殖飼育交配センター、パンダ展示センターなどの施設が整備されている。現在、パンダは20数頭。

「北京週報日本語版」 資料

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