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本誌報道  
23年後の日本再訪(4)

 

               本誌記者  趙玉琳

              

              世界遺産の白川郷

日本は世界で最も発達した国であり、先進的な産業を有するだけでなく、観光資源に富む国でもあります。恵まれた気候や自然環境と多くの歴史的文化財が一体となって、日本特有の景観を生み出しました。日本人は歴史的文化財の保護を極め、私たちの目から見れば取るに足りないものでも、まじめに保護を加えています。岐阜県大野郡にある飛騨白川郷は、今回訪れた唯一の景勝地でした。白川郷は、1995年12月に世界遺産に登録されましたが、その理由は、長い歴史を持つからではありません。その歴史は100年以上、200年足らずです。家屋の構造が別に一派をなしたため、世界遺産に指定されたのです。家屋は2本の部材を山形に組み合わせてつくるサス構造で、屋根が両手を合わせたような形

になっていることから「合掌造り」と名付けられています。豪雪に耐えられるように屋根は60~65度の急勾配で、ほぼ正三角形の特異な形をしています。屋根の上には厚さ40センチぐらいの茅が敷かれ、冬は寒く、夏は暑い盆地にある白川郷の昔の住民が無事に暮らせる居所でした。「合掌造り」集落のすばらしい構造を最初に発見したのはド

イツ人だそうです。この方が彼の著書「日本美の再発見」の中で白川郷を紹介したことで、合掌造りの建物が世界の注目を集めるようになり、日本はここの保護に取り掛かり、すべての住民が一時転出したということです。

車が狭い道に沿って白川郷に入りますと、流れがそれほど急ではない白い河川が目の前に現れました。もっと奥へ進みますと、童話の世界に入ったように、俗世間を離れた別天地に身を置いているみたいでした。この日は昼食が終わるまでは雨雲が低く垂れ、小雨が時々降っていましたが、遊覧が始まった後には、雨も物分かりのよい子どものように止んでくれました。「合掌」形の屋根を特徴とする家屋は、いろんな植物や花、草に引き立てら

れているうえ、雨に降られて、重々しい歴史的な感じがもっと際立つようになりました。ゴールデンウィークに当たる5月5日でしたが、大勢の観光客も見られず、店の売り子から呼び売りの大声も聞こえず、静かでした。

同行の人々の話では、中国雲南省の麗江という景勝区が白川郷によく似ているそうですが、道の中央に立って物を売りつけたり、大きな声で呼び売りをしたりする人が多くて、観光客が興ざめする一方、眺めにも妨げになるとのことです。これは多分中国の観光地に共通する欠点でしょう。歴史的文化的遺跡の保護・開発・利用では、日本に学ぶべきところがあると思っています。

写真1=白川

写真2=遠いところの山のてっぺんが雪に覆われているの   

                    がはっきり見える

                写真3=正三角形の屋根

                写真4=田園風景

                写真5=枯れ木でもよく保存されている

          「北京週報日本語版」2008年5月15日

 

 

 
  
 
 
 
 
      
 
                
          

1週間にわたる訪日は短い旅でしたが、感銘は深いものでした。日本を見ることを通じて、祖国の大きな変化を感じとりました。それとともに、どこにまだ開きがあるかもわかりました。国民の素質をできるだけ速く向上させることが、最も大切なことだろうと考えています。

「北京週報日本語版」2008年5月15日

 

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