21.双方は、文化センターの相互設置に関する協定が署名されたことを歓迎し、同センターが、両国国民の相互理解の促進に積極的役割を果たすことへの期待を表明した。
22. 双方は、人文分野における交流及び協力に積極的に取り組み、関係部門及び社会団体が文化遺産の保護等の分野で共同研究を行うことを奨励する。
23.昨年12月の福田総理訪中時に、日本側は北京大学の対日交流強化のためのプランを提案した。
24.双方は、関連の準備が進められていることを歓迎し、知的交流の更なる強化のため協力を継続する。 双方は、昨年12月に北京で行われた第1回中日ハイレベル経済対話において、両国の関係閣僚が一堂に会して、それぞれのマクロ経済政策、気候変動を含む省エネ・環境、貿易・投資、検査・検疫及び地域・国際的な経済問題について、部門を越えた直接対話を行ったことにより、相互理解が促進され、今後の問題解決や協力推進への指針が示されたことを高く評価した。次回対話は、本年秋を目途に東京で開催する方向で検討する。
25.双方は、両国関係部門が、「持続可能な経済発展に資する互恵関係構築を推進していくための包括協力文書」、「省エネルギー・環境分野における協力の継続強化に関する覚書」及び「中小企業分野の協力推進に関する覚書」の3つの文書に署名したことを歓迎し、引き続き協力を推進していくことで一致した。
26. 双方は、現在の石油価格に対する懸念を表明した。また、双方は、継続的に中日エネルギー閣僚政策対話を行い、エネルギー分野における互恵的協力について検討していくことで一致した。
27.双方は、石炭分野における技術協力として、中国の石炭火力発電所における設備診断・設備改造・人材育成を推進する。双方は、石炭火力発電所からの二酸化炭素の隔離・貯蔵(CCS)を通じて、石油回収率の向上(EOR)の実証研究を継続的に展開する。また、双方は、鉄鋼及びセメント分野の省エネルギー環境診断を引き続き推進することを歓迎する。
28.双方は、「中日省エネルギー・環境ビジネス推進モデルプロジェクト」が順調に進行していることを確認し、中国の地方政府と共に努力して同プロジェクトを一層推進させ、プロジェクトの発掘とその成果の普及を強化する。
29.双方は、省エネルギー政策に係る受入研修を通じて中国の省エネルギー法及び中国の省エネルギー政策が進展したことを高く評価する。
30.双方は、今後、政策研修を実施すると同時に、日本側が中国側に対し省エネルギー計測の分野の省エネ関連に係る専門家を派遣し、中国側が省エネ制度の確立と企業のエネルギー管理を更に強化するよう支援することに同意する。
31.双方は、環境関連の大学院ネットワークの構築を推進し、環境人材の養成を進める。 双方は、福田総理が訪中した際に確認した「中日省エネ環境協力相談窓口」が本年4月から業務を開始したことを歓迎するとともに、本窓口により両国の省エネ環境保護ビジネスの発展を促進するよう努力する。
32.双方は、原子力発電のエネルギー安全保障と地球温暖化防止に対する重要性に照らし、この分野における協力を強化することに同意する。
33.双方は、双方を含む主要なエネルギー消費国が、省エネルギーに関する政策手法等につき、幅広く情報を共有し、意見交換を行う必要性を共有する。
34.双方は、天津市と北九州市・神戸市との循環経済、省エネ・環境保護分野における協力を歓迎するとともに、引き続き支持していく。
35.双方は、両国の環境保護部門が農村地域等における分散型排水処理モデル事業協力実施に関する覚書に署名したことを歓迎する。
36.双方は、両国の協力により黄砂の共同研究が進展していることを評価し、引き続きアジア諸国の二酸化硫黄等を含む大気環境分野における交流と協力を促進する。
37.双方は、公害対策等と気候変動の緩和を両立させるコベネフィットアプローチに関する具体的な協力を促進する。
38.双方は、両国主管部門が中国の農村地域における水安全供給及び日本における簡易水道普及に係る成功経験の紹介等に関する覚書を起草したことを歓迎し、覚書の実施のために協力を行っていく。
39.双方は、水資源の効率的管理、水質汚濁の予防、治水災害対策等の水資源分野における協力について、水が地球温暖化の影響を最も受けやすい資源であると認識し、気候変動への適応の観点からも、この分野の協力を一層強化していく。
40.双方は、両政府間の森林・林業協力及び日中民間緑化協力委員会の着実な活動を積極的に評価するとともに、世界的な森林減少及び劣化の抑制の問題に対して、植林・違法伐採取り締まりを強化し、アジア地域における森林回復及び持続可能な経営を促進する。
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