過去10年を振り返ると、冷戦はもうとっくに終わったのに、日本には冷戦思考の名残で中国の発展を脅威と見なす政治家がおり、不幸な戦争の歴史はすでに過去のものとなったのに、どうしても歴史の事実を歪曲する手法によって両国関係の改善を破壊しようとする者がいる。
幸い、風は終日吹かず、驟雨は終日降らず、両国の有識者の長年の努力を経て、中日関係はついに正常な国家関係の軌道に戻った。今や中国の指導者が堂々たる大国の風格と「四海一家(世界は一家)」の気概を示すのを見て、日本の指導者も歴史認識問題における小泉氏等の誤ったやり方を改めるに至った。経済貿易・科学技術面の両国の相補性、省エネ・環境保護面の両国の共通利益は、政治関係の基礎を固めただけでなく、社会・文化交流の飛躍的発展ももたらした。魯迅先生の詩「劫波(ごうは)を度(わた)り尽くして兄弟在り、相逢(あ)いて一笑すれば恩仇泯(ほろ)ばん」は、今日の中日関係を生き生きと描写していると言えよう。
当然、東アジアの隣接する両大国として、中日も必然的に戦略的利益の対峙と対立に直面するのであり、長年の累々たる歴史上の問題と現実的な利益の紛争とが相まって、これらを一挙に解決することを一層困難にしている。こうした中、冷戦思考や古いゼロサムゲームの観念を捨て、誠実な政治的相互信頼を構築し、大局に立って遠望することの重要性は明らかだ。そうしてのみ、両国関係は寒流を免れ、常に春暖かくあることができ、両国民は遺恨を水に流し、常に微笑んでいることができるのだ。(文:高洪・中国社会科学院日本研究所政治研究室主任)
「人民網日本語版」2008年5月7日 |