本誌記者 繆暁陽・陳姌
今年1月に開かれた米国のサンダンス映画祭で、ドキュメンタリー「靖国神社」が幅広い関心を呼んだ。同映画祭のコンペティション部門に入った唯一の中国大陸の映画であり、中国の映画人による初のドキュメンタリーでもある。
まだ公開されていない映画がこれほどの反響を呼んだのはなぜか。一体、どのような靖国神社を描いたのか。米国から戻ったばかりの在日中国人の李纓監督は、第58回ベルリン映画祭に参加のためドイツに赴く前日、本誌記者の独占インタービューに応じ、10年におよぶ辛酸をなめた撮影をめぐる物語を語ってくれた。
記者 サンダンス映画祭から戻られたばかりですね。靖国神社というこの比較的論争性のあるテーマに対して、米国の業界関係者やメディアの反応はどのようなものでしたか。それに満足していますか。
監督 去年10月、「靖国神社」は韓国のプザン映画祭で世界に先駆けて上映されました。サンダンス映画祭の会長は鑑賞した後、非常に感動し、また非常に喜んでくださり、映画祭に出品するよう心から要請され、自ら上映式を主催してくださいました。この映画はナーバスなテーマに触れているだけでなく、より重要なのは、私が選んだアングル、「靖国の刀」を切り口にして、戦争と参拝が内包する意義を分析したことにあり、感動的で、深く考えさせるものがある、と話してくださいました。
映画はサンダンスで広く知ってもらうという役割を果たした、と言っていいでしょう。靖国神社というこの歴史性と現実性とを兼ね備えたトピックを米国に持って行ったわけですが、米国の観客は鑑賞した後に多くの問題を提起してくれました。私も彼らと交流できたことを大変うれしく思っています。
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