これは1959年8月25日にチベットのダッズェ県の農村で起こったことであった。タジェ郷の農民が荘園の蔵から不動産契約書をたくさん発見し、それは農奴主が彼らを搾取、抑圧し、高利貸しの借金を取り立てるための証文であった。悲惨な境遇を経験したことのある人たちはたちまち激怒し、その場で火をつけ、これらの罪深い借金の証文を焼き捨てた。火が燃え上がれば上がるほど盛んになり、解放された農奴たちもますます興奮し、彼らは燃やしながら歌を歌い、晴れ晴れとした気持ちになった。これを見て私は、この炎が焼き捨てたのはひと山の帳簿と証文だけでなく、旧社会そのもの、旧制度そのものを焼き捨てたのだと心から感じた。私はさっそくこの歴史的瞬間をカメラに収めた。(写真・陳宗烈) |