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「政教合一」の封建農奴社会  
ソカン・ワンチェンゲロ(1958)

 
 

ソカンは4世ダライラマの子孫と自称している。昔、ソカン一族はチベットで数多くの荘園と財産を擁し、大きな権勢をもつ代々名門の貴族であった。

昔、ラサは僧侶と非僧侶貴族の天国であった。かつての習わしによれば、毎年の真夏になると、リンカ(庭園)祭が催され、夏の宴を催すことになっていた。貴族たちは順番にホストとして互いに招待し合って豪華な宴会を催した。宴会の日には名門の貴人たちはお年寄りや若者をしたがえて、招かれた宴会の場所に集まった。参会者は官職の高低によって旦那さま、夫人、若君、お譲さんがそれぞれのテント別に住むことになっていた。女性の家族たちがこのような催しに参加する際、その身なりはとりわけ上品で美しく、彼女たちはきわめて顕著な競争意識をもち、いつも互いに身なりについて話し合うことを好んだからである。ホストは大盤振舞いをし、お客さんたちは心行くまで飲んだり、食べたり、遊んだりし、また民間の芸人を招いて歌を歌ったり、踊りを踊ったりさせて興を添えた。宴会の出費が莫大なものであったため、往々にして普通の貴族は財産がすっからかんになるほどであった。例えば、1947年のリンカ祭の宴会の催しはルカンワの番になり、彼はしきりに悩みを訴えた。裕福なガロン(元チベット地方政府の主管高官)、大貴族のソカンはそれを知って、進んで自分の家が昨年に盛大な宴会を催した時に使ったあらゆる用具、食器やその他の物を全部ルカンワに手渡し、その上この夏の宴のすべての出費を負担した。大金を出すことは、ソカンにとっては些細なことであった。(写真・陳宗烈)

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