さらに、1997年の財団成立10周年の際、中国の学生や生徒、児童を無料で日本に招く方針が打ち出された。1998年、財団は初めて、大型の中国学生旅行団の訪日を招請した。これを契機に、中日青少年の相互訪問が始まった。
財団は、北京、上海などの大都市からの子どもばかりではなく、経済的に遅れている地域の子どもたちを特に招いて、彼らも日本に来て勉強し、視野を広げることができるようにした。
財団の手配で日本から中国を訪問した修学旅行の生徒は、1995年から2007年の間に約33万人。中国から日本に来た中国の学生たちは1998年から2006年までで約4000人。その中には、経済が発達していない地域からの14の団体、計216人も含まれている。
自立の精神を養う
よく知っているアニメのキャラクターの玩具に興奮する子どもたち
財団の村上司郎理事長はこう言う。「交流活動は20年ほど続けてきたが、すこし改善すべきところもある。私たちの財団が組織した旅行は、ただ景色を見るだけでなく、より大切なのは、学校教育の一部として、子どもたちに何か得るところがあるものにしなければならない」
こうした考えは、今回の小鴻雁少女芸術団の訪問にも貫かれていた。子どもたちが生まれ育った内蒙古自治区は内陸部にあり、ほとんどの子は海を見たことがない。だから今治市と大島を結ぶ来島海峡大橋に行き、瀬戸内海を眺めたのは、子どもたちにとって得がたい経験だった。
一行の旅を世話した今治地方観光協会の宮田晃二事務局長は「近年、多くの中国の子どもたちと接したが、彼らはよく勉強し、旅行中もよく質問をし、メモを取る。しかし、学校での競争が激しすぎるのか、いつも気を張っているのに気がついた。だから私たちはまず、子どもたちを大自然の中でリラックスさせたかったのです」と言う。
また、これまで旅行に来た子どもたちはほとんど、みないっしょの宿舎で夜を過ごす。小鴻雁少女芸術団の小学生も例外ではない。自分でご飯をよそい、布団を敷く。出発前には、部屋をもとのように戻さなければならない。これも、自立能力を鍛えるために特別に設けられた「授業」なのだそうだ。 (于文=文・写真)
「人民中国インターネット版」2008年ン4月24日
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