日本の地方史研究協会など歴史研究8団体は13日、「新しい歴史教科書をつくる会」が編集した歴史教科書に反対する声明を発表した。
声明によると、つくる会の編集した歴史教科書には多くの問題があり、歴史研究者や教育者にとって座視できないとしたうえで、(1)過去の植民地支配に対する反省の姿勢や、近隣諸国に対する友好的態度が見られない(2)公平な歴史的記述がなされていないと指摘。1995年8月15日に行った村山首相(当時)の談話が日本の「国際的承諾」になっていると強調した。現行の教科書検定の基準によれば、「アジア近隣諸国間の近現代史的できごとに関しては国際理解と国際協調の観点から考慮する必要がある」と明記されており、つくる会の編集した歴史教科書は村山談話に反し、内容からも現行の検定基準に抵触すると指摘した。
報道によると、申請中のつくる会の歴史教科書は審議で出された意見の基づき、多くの点が修正された。しかし、つくる会の西尾干二会長は「我々の意見を残していく」と発言した。声明はこれに対し「国際的な承諾に反した歴史教科書が採用されれば、学生の歴史認識に影響を与え、国際感覚を養う妨げになる」と指摘し、断固として反対していくことを表明した。声明にはこの他に中国現代史研究会、朝鮮史研究会、日本現代史研究会、日本史研究会、歴史科学協議会、歴史学研究会、歴史教育者協議会の7団体も連署した。
2001年3月16日 |