中国西部、チベットに生息する霊長類である。ゴールデンモンキー、チベットコハナテングザルとも呼ばれる。最も寒冷な地に生息するサルとしても知られ、チベットの標高3000メートルの地に生息し、-5度という冬の気温に耐えられる。
IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは「絶滅の危険が増大している種」とされ、「絶滅危惧II類」に分類されている。
オスの体長70cm程度、尾長70cm程度、メスはオスの半分程度の大きさである。オレンジ色の長い体毛をもつ。青白い顔にはつぶれたような形の特徴的な鼻をもつ。
キンシコウは、中国西部、チベットの山間部の森林に生息している。1頭のオスと数頭のメスからなる群れを形成する。これをユニットと呼び、数ユニットが集まって、さらに大きな群れをつくることもある。
果実、種子、木の葉などを食べる。雪深い冬の間は、ヤナギ、クルミなどの木の皮が食糧となる。ウシなどと同様、胃の中に植物繊維を分解する微生物がおり、そうしたエサでも栄養に変えられることが、冬の高山でも生きていける理由だといわれる。また、この微生物が繊維を分解する際、発酵熱といわれる熱を発する。この熱を利用することで氷点下の寒冷地でも体温維持しているという。
妊娠期間は約200日。通常、1子を産む。 |