モクレン科ユリノキ属の落葉高木である。ごく近縁な種に、中国の揚子江以南に自生するシナユリノキ(L. chinense)があり、これは典型的な隔離分布の例で、大陸移動の生物的証拠であるとされる。
北アメリカ中部原産。生長が速く、街路樹・庭木・公園樹・蜜源植物として利用される。蜜源植物としては重要で、良質の蜂蜜が得られる。なお、セイヨウミツバチは当初本種の花蜜を集めることが苦手であったが、北米でセイヨウミツバチの改良が進み利用されるようになった。
葉は薄くて硬く淡緑色平滑で、浅く掌状に2~4裂 先は凹形。花期は5~6月頃。鐘形で、枝先に直径6cmくらいでチューリップに似た形の、付け根近くにオレンジの斑紋のある淡い黄緑色の花を咲かせる。がく片は3枚。雌蕊が円錐形に集合したものの周囲を、多数の雄蕊が取り囲んでいる。果実はローソクの炎のような形状をした集合果で個々の果実は細長い「へら型」の翼果で、晩秋から冬にかけて散布される。
葉に様々なタイプの斑が入るものや、枝が横に広がらない品種が選抜されており、造園上も重要である。
材としては、器具・建築・合板・楽器・ソーダパルプに利用される。
· 別名
ハンテンボク(葉の形が半纏に似ることから。)
チューリップツリー(花がチューリップに似ることから。)
レンゲボク
トラフアゲハ(Eastern tiger swallowtail、Papilio glaucus)の幼虫の食草の一つ。 |