答 農村での医療機関不足によって、多くの農民が病気で貧しくなったり、病気でさらに貧しくなったりする問題は確かに深刻化している。だが、こうした状況は10年までには徹底的に改められるみとおしだ。というのは、社会主義の新しい農村を建設する過程で、政府は農村の医療衛生条件の改善、農民の医療費負担の軽減、農民の健康水準の向上を重要項目に盛り込んでいるからだ。
こうした問題を解決する重要な対策として、03年から農村で新しいタイプの協力医療制度を推進し、今も着実に進めているところだ。06年9月末現在、全国50.07%の県(市、区)で試験的に実施しており、加入した農民は4億600万人、加入率は80.49%に達した。07年には試験実施地区の範囲を全国80%の県(市、区)まで拡大する計画だ。10年にはすべての農村で実施し、7億人がカバーされる。
このほか、重病のため医療費の負担が重すぎて基本的な生活に影響が出た貧しい農民に対しては、適度な補助金を支給することにしている。また、全国31の省(自治区、直轄市)のすべてに農村医療救護制度が確立されており、05年に救護された農民は延べ1112万人、支出総額は10億8000万元に達した。
農民の基本的医療衛生への需要に応えるために、さらに県の医療保健機関を主体に、郷(鎮)の診療所と村の診察室を結ぶという三クラスの衛生サービス・ネットワークを構築した。既存の施設を利用し、郷(鎮)の診療所を合理的に配置することで、原則として、1つの郷・鎮が政府管轄の診療所を運営することにした。その他の診療所については、実情に応じて、共同運営や所有制の改革などさまざまな形で調整することにしている。計画に基づき、政府は06~10年にかけて、農村の衛生保健サービス条件を改善し、農民にサービスを提供する能力を高めるため、200億元余りの資金を拠出して、一部県の病院と郷・鎮の診療所の建物と設備を更新する計画だ。同時に、特別資金を拠出して、エイズや住血吸虫病、結核、風土病など重大な疾病の予防・治療に力を入れるとともに、医療関係者を対象に訓練を行って技術レベルを高めるほか、都市の病院から質の高い医師1万人以上を農村に長期間派遣することにしている。こうした一連の措置によって、農村の衛生事業の発展を加速し、8億の農民に基本的な衛生・保健サービスを享受させることにしている。 |