答 現在、土地の違法では確かに注視すべき新たな動きが見られる。例えば、さまざまな名義で勝手に農業用地を建設用地に回したり、土地利用の総合計画を随意に調整したり、耕地の収用を許可したり、計画を超えて土地の使用を許可したりしている地方もある。また、新しい農村の建設に当たって、建物の大規模な撤去や建物の大規模な建設が行われたり、空地を勝手に非農業建設に使ったり、名目を変更して不動産を開発したり、ゴルフ場や別荘などを造ったりもしている。
中国は発展途上の人口大国であり、土地問題は一貫して近代化プロセス全般にかかわる、また戦略的な意味からも重大な問題だ。現在、全国の耕地総面積は1億2000万ヘクタールしかなく、1人平均所有面積は世界平均レベルよりはるかに低く、13億人口の食の問題を保証するには、1億2000万ヘクタールを下回らないようにする必要がある。
土地管理問題に対応するため、政府は経済や法律、必要な行政手段を総合的に運用して、次の面から重点的に土地の管理と耕地の保護を強化していくつもりだ。
第1に、国家土地監督観察機関の監督・検査の役割を十分に発揮させる。土地の違法利用の摘発メカニズムを完備し、違法行為を厳しく処罰し、違法な土地使用許可や違法な低価格での国有地の使用権の譲渡については、刑法に触れる場合は刑事責任を追及する。
第2に、今後も土地の審査認可と供給管理を厳格に進める。農業用地の転用と土地収用計画を厳格に審査し、都市の新増建設用地の規模については全体的に抑制するようにするとともに、単独立地プロジェクトの用地変更の報告認可方式を拡充し、用地の使用認可後の検査制度を真摯に履行する。
第3に、建設用地の有償使用料を引き上げ、工業用地への譲渡の最低価格基準、入札や競売、公示・譲渡制度を全面的に実施する。
第4に、地方政府が土地の管理と耕地の保護に対して全面的に責任を負い、審査認可された用地だけでなく、実際に使用されたすべての用地に対しても責任を負うようにする。同時に、政府自身も監督と巡回検査を強化し、重点地区と重点都市の状況を即時に把握するとともに、違法行為の発見率や抑制率を重要な査定指標として、査定の根拠を明確にする。さらに、新増建設用地に対する抑制指標(農業用地と非利用地の占用を含む)を土地利用年度計画に盛り込み、耕地の実際保有量と新増建設用地面積を、土地利用年度計画や土地管理・耕地保護の責任目標を査定する根拠とする。実際の用地が計画指標を上回った場合、次年度はその分だけ計画指標を低くすることにしている。
このほか、長期にわたって論議されてきた国家土地監察制度が正式に運用の段階を迎えた。国家土地監察局は地方政府の土地管理行為に対する監督検査を強化し、地方政府の責任者に対して問責制度を実施する。管轄区域内で発生した土地の違法行為に対して、これを制止せず、摘発せず、問題を隠蔽して報告せず、処分せず、重大な結果がもたらされた場合、職責を怠り、職権を乱用し、情実から不正行為を行い、土地管理の法律と法規を執行せず、順守しなかった場合は、関係責任者と担当者の責任を追及することにしている。こうした措置が総合的に運用され、そして厳格に執行されれば、各地方政府と土地利用者、土地を収用された農民などの利益関係が明確になる。そればかりでなく、法律や経済、行政などの面から建設用地の過度な膨張を抑制して、土地の管理と耕地の保護を円滑に強化することができる。 |