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友好の道  
肌で感じた文化交流の力

                   

                大学の「留学生新年晩会」に日本舞踊で参加(右が筆者)

高校3年の夏、進路を決める際、日中国交正常化30周年の節目にあたり、多くのメディアが中国をさまざまな角度からクローズアップしていました。私の興味も中国に移っていきました。

それから5年後の2007年、両国は国交正常化35周年「日中文化・スポーツ交流年」を迎え、相互理解を深める事業が各地で行われました。北京でも展示会、コンサート、交流会、また伝統芸能など多くのイベントが開催され、私も興味を駆られて、あっちへもこっちへもと足を運びました。

特に印象的だったのは、9月に王府井で行われた「日中のお祭りin北京」です。両国のお祭りや伝統舞踊などが参加し、昼にはステージでのパフォーマンス、夜にはパレードと稀にみる特大イベントでした。留学中にこんなビックイベント見なきゃ損と、お祭り好きの血が騒ぎ、中国の友人を誘って会場へ向かったのですが、始まる前からすでに人だかりでした。

ぎゅうぎゅう詰めの一般観客席から見物していたので、ステージを見るのも一苦労。なにせ、中国人は人を押しのけてでも我前へという習慣がある。そんななか、会場を華やかに飾ったのは秋田の竿燈でした。長い竹竿とその上に吊るされた提灯の様子は、多くの中国人を圧倒しました。

風が吹いて竹竿が大きく曲がると会場がわあっと沸き、近くのおばさんも「よく倒れないものだねぇ」と感心の言葉を漏らしました。ご夫婦なのかその隣のおじさんが、「メインの長い竿は竹だから、竹の性質を利用しているんだよ。日本は科学技術が進んでいるけど、伝統的知識もまだ生きている国なんだよ」と話している言葉を耳にしました。

外国で日本をいくらでも知っている人や、理解しようとしている人に出会うと、とてもうれしくなります。こういった大きなイベントやちょっとした機会にでもお互いを思いやる心、そこから異文化交流が始まるのだと思います。

いつか仲の良い中国の友人に「日本人を心から好きな中国人って本当に少ないんだよ」と言われ、とてもショックでした。日中間の歴史や社会、政治の問題は、今日明日に解決できる簡単なものではありませんが、まずはお互い向き合い、理解すること、そして今後いかに付き合っていくかが大切なのだと思います。

「日中文化・スポーツ交流年」は私に文化交流の喜びと楽しさ、そして重要さを教えてくれました。「交流年」と掲げられた年は過ぎ去ってしまいましたが、これで終わりなのではなく、今後も両国の国民一人一人が関心を持ち、日中関係を築いていけたら、更なる大きな発展が期待できると思います。その時、この留学で培った私の知識と経験を少しでも役立てることができたらと思います。 (北京第二外国語学院 国際文化交流学院 本科生 阿部いづみ)

「人民中国インターネット版」2008年4月1日

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