答 1978年に改革・開放を実施して以来、都市化が急速に進むようになり、とりわけ92年から、都市化のスピードは年平均1.19%ずつ速まっており、同じ時期の世界平均スピードの3倍に相当する。統計によると、05年に人口が50万~100万人の都市は108、100万人以上が75、200万人以上が25、400万人以上は13を数え、都市化率は42.99%に達した。
都市化の進展では、国際的に発展モデルは2つある。1つは、欧州連合(EU)を代表とするコンパクト型モデルである。つまり、都市の有限の空間に産業と人口を集約することで、建設用地を節減し、土地の配置や効率を高めるというものだ。いま1つは、米国を代表とする拡散型モデルだ。人口密度は低く、エネルギー消費はコンパクト型よりもずっと多い。住みやすい土地や水資源が不足し、人口が多く、土地が少ないという問題が表面化するとともに、農村の出稼ぎ労働者が大量に都市部に流れ込み、流動する場所も均衡を失っているといった問題に直面していることを考え、中国はコンパクトな都市発展モデルを採用することを決めた。土地の集約的な使用を促して住宅調整政策を進めていけば、後世に大量の良田や発展のための空間を残すことができるだろうが、米国型を採用すれば、食糧は輸入に頼らざるを得なくなってしまう。
すでに都市化の目標は確定している。50年までに、都市化率を05年の42.99%から70%前後まで引き上げることだ。つまり、都市化率が年平均1ポイント近くずつ増えることで、農村から約1200万人が毎年都市に移動してくることになる。そのため、都市化の進展で大きな対価を払うのは避けられず、経済形態と社会構造も大きな影響を受けるとともに、一連の難題にぶつかることになるだろう。20年までに、人口総数や労働人口総数、高齢者人口総数が相次いでピークを迎える、エネルギーや自然資源が過度に使用される、都市部の生態環境は一部で改善されるものの、全体的には悪化する、インフラ整備のスピードと質が都市の需要に応えられない、といった問題だ。これらが都市化にとって大きな課題となる。
これらは都市化を進める過程で必ず生じるもので、相応の対策を講じて効果的に対応するほかに道はない。新しい世紀には、都市部の生態環境の全体的な改善を速めることにしている。50年までに、資源消費の「ゼロ増加」とエネルギー消費の「マイナス増加」を完全に達成して、「エネルギー総消費量を00年比で半分削減し、国内総生産(GDP)を同倍増させる」という国連が提起した目標を実現する方針だ。同時に、都市部の情報化とデータ化を推進し、インフラ施設を健全化かつ完備させ、都市部が新たな富の集まる経済成長ポイントにすることで、社会の公平を実現し、地域間、都市・農村部の間の均衡の取れた発展を実現し、すべての人々が豊かになるようにしていく。 |