富裕層の減税に疑問も
2008年は税制改革にとって極めて重要な年であり、資源税、個人所得税、消費税、物業税(不動産税)などの税種をめぐる改革がさらに推進される見込みだ。「中国青年報」はこのほど、税制改革の注目点について次のような記事を掲載した。
このたびの「両会」(全国人民代表大会(全人代)、全国政治協商会議)では、代表や委員の多くが税収に関する提案を行い、まもなく始まる税制改革に向けて「温度」を上げた。うち同会議の張茵全国政治協商委員(玖竜紙業有限公司董事長(会長))が提起した富裕層向け減税が最も注目を集めた。
張委員によると、中国では富裕層に対する個人所得税課税率が高すぎ、月収10万元以上の場合の個人所得税率は45%にも達する。合理的な還付政策、免税政策がなければ、この税率では投資家を尻込みさせ、中国の国際競争力不足を招くことになる。そこで張委員は、米国の税率35%にならって富裕層への課税率を30%に引き下げ、その他の先進国より優位な条件を整えることを提案した。
これに対して4日、別の委員から疑義が提出され、張委員は全国政治協商委員として、自分が代表を務める利益集団のために提案を行うべきではないとの意見が述べられた。
その後、全人代の宋慶後代表(娃哈哈集団董事長)が態度を表明し、「過重な税負担は富裕層への打撃であるだけでなく、育ちつつある中産層をも損なう」と発言するとともに、個人所得税の課税対象額下限を引き上げ、中小企業と低所得層のために良好な納税環境を創出するよう呼びかけた。
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