中国政法大学の石亜軍教授は長期にわたり政府改革問題の研究に取り組み、14の省・市・自治区の百に近い政府部門に対して調査を行ったことがある。同教授は今回の国務院機構改革案の提出について、以下の四つの新たな特徴を挙げた。
(1)行政管理体制改革の中で科学的発展観を具現した。住宅・都市農村建設部、人力資源・社会保障部など新しく設置された部門の名称から、科学的発展観が単に求められているものというだけでなく、真に具体的な組織形態となったことが見て取れる。
(2)職能を有機的に統一させた「大部門体制」を探求した。改革案は職能がほぼ同じ部門を統合し、重要な業種の管理体制を完備させ、社会管理と公共サービス部門を強化、統合し、議事部門とその執務部門を簡素化、規範化させた。新しい国務院機構のうち、「大部門体制」の探求として設置された部門は交通運輸部、工業・情報化部などがある。大部門体制改革で重要なのは機構数の増減ではなく、機構の職能の大規模な調整という点であることは明らかだ。
(3)行政管理体制内部の矛盾に触れた。今回の改革は機構の職能への合理的調整と権限・職責への合理的配置を通じて、権利と職責との関係を疎通させ、行政管理体制内部の矛盾に触れた。
(4)法制によって政府機構の設置と運営を制約した。今回の改革は、行政命令だけがあって法制による制約が足りないことによってもたらされた昔の「肥大化―簡素化―再肥大化―再簡素化」という「行政怪圏」(行政上の悪循環)を根本から切断した。
「北京週報日本語版」2008年3月13日
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