世界銀行副総裁兼首席エコノミストに新任した林毅夫氏は「両会議」の話題の人物となっている。妻の陳雲英氏は中国随一の特殊教育の専門家である。夫婦とも第11期全国人民代表大会の代表に選ばれている。
3月7日、全人代ニュースセンターは林毅夫夫妻のために記者会見を開いた。席上、中国の経済問題について林毅夫氏は次のように語った。
貧富の格差の問題は当面、中国経済における一連の問題の核心(投資の急増、通貨貸付の供給過多、貿易黒字の過大増加を含む)である。第17回党大会において第一次配分では公平と効率の統一を実現すべきだと提起された。この目標を達成するには、次のような一連の改革を行うべきである。
1、金融構造を改善し、中小企業のために融資を提供できる中・小型金融機構を発展させるべきである。
2、資源価格、税コストを引き上げ、資源価格のねじれ現象を改めるべきである。
3、開かれた競争を行える業種に対しては、適当な時点で開放すべきである。
現在の所得配分問題は30年前の均等主義に比べて、進歩したものだ。先に豊かになった人々が過去30年間、9.8%という年平均成長率をもたらしたが、所得配分はますます不公平になっている。
現在、政府の財政収入は5兆元を超えており、弱者層に必要な援助を与え、最低生活保障を提供する能力がある。最も重要なのは健康、教育への投入を強化することで、弱者層が経済発展の過程で就業でき、経済の成果を分かち合えるようにすることだ。
中国の改革開放30周年の成果を振り返ると、思想解放、実事求是(事実に基づき真相を求める)、時代に合った進歩という三つの点にまとめられる。「中国の経験」はいかなる時期、いかなる国・地域にも適用できる。それぞれ条件は違っても、その精神と経験には共通点がある。発展途上国の貧困問題解決を援助する面で、中国と世銀の立場は矛盾しないと信じている。
「北京週報日本語版」2008年3月11日 |