答 中国の全体的な金融システムの中で、農村金融は最も脆弱な一部だと言えるだろうし、とくに農村の金融機関は分散し、農民への融資は少なく、信用状況が調査しにくいなどの状況から、農村の金融機関は維持していくのが難しい。サンプリング調査で、この3年近く、金融機関の農業への貸付残高が中国の総貸出残高に占める割合は年平均して1ポイントずつ下がっており、農村では、農家であれ中小企業であれ、正規の金融機関から融資を受けるのは非常に難しい。現在、中国農業銀行が一部の県クラス以下に営業拠点を残している以外、その他の商業銀行は県クラスの支店を全て廃止した。このため農村の金融サービスは困難な低潮期を迎えることになった。
統計によると、現在、農村は郷と鎮が3万7000、村が65万3000あり、農家は2億4900万世帯、人口は8億人余りで,これ自体は巨大な市場だ。とくに今実施している新しい農村を建設する計画では、巨額の資金が必要であり、大まかな推計では、20年までに新たに15~20兆元の資金を増やさなければならない。しかし、農村の金融機関不足は、今の新しい農村建設の推進を制約する要素となっている。
農村の金融構造と運営メカニズムにある重大な欠陥を解決するために、今後数年間に、中国は信用貸付や農村保険市場の確立、大口農産物先物市場の確立という3つの面で、全面的に農村の金融サービスを推進し、金融システムを完備させていくつもりだ。中国は07年に、村・鎮銀行や貸付会社、農村資金合作社の設立に関する暫定方法と関連する実施細則を公布した。なかでも、村・鎮銀行は農民の預金を吸収し、農民に融資することを主体にしている。貸付会社は主に農村の中小企業に対して融資を行い、農村資金合作社は主に農家に眠っている金を集めて、合作社の会員に小口融資をする。村・鎮銀行の試験的設立は07年2月から、まず四川省など6つの省(自治区)で行っており、08年には15の省(自治区)まで拡大される。こうした政策が一つひとつ着実に実施されていけば、農村の金融事情は新たな大きく発展する時代を迎えるのではないかと期待している。 |