任期切れに伴う選挙の年、改革開放30周年、さかんに論議されている人民の生活の課題、盛大な北京五輪、それに「大部制」の改革(国務院所属各部の大きな部を作る改革)、大雪害の後の再建が加わり、これまでの全人大、全国政協会議(両会議と略)と比べて、長期にわたって下準備が行われたことであろうと、それとも突発的出来事であろうと、ホットな話題がこれほど多いことは従来なかった。上述の5つの話題は人の心を強くとらえており、全人大、全国政協の代表、委員はそれに焦点を合わせるとともに、民族の復興をさらに促すため、それについてアイディアを打ち出すことになることも想像できる。
―― 改革開放は30年目の年に入った。この非常に大きな成果をあげた改革は普通の改革と比べて非常に多くの異なったところがあり、ある学者が感慨深げに語ったように、既存の理論では「中国の奇跡」を解明することは難しい。
今年の両会議は30年間の改革とその成果の 「誕生日祝賀の宴」にこだわらないと信じてもよい。それに対する思索は祝典よりずっと実務的なことであるからである。
30年目の年という言葉は非常に重みのあるものであり、それは「成果」も示せば、「成熟」という意味も込められている。「中国の奇跡」に内在する論理を整理し、「中国の道」のために系統的なその解明を目指すことは、今年の両会議の最も先見性のある議題であり、今後のより多くの「30年」の起点でもある。
――いま1度の大幅な政府の改革が準備されつつある。「大部制」の改革が速やかに日程に上がることになろう。専門家の予測によると、新しいラウンドの政府の改革の前奏は、今春中央政府において真っ先に始まることになろう。今年において、「大規模な輸送」、「大規模な農業」などの構想が思い切って推進されることができるかどうかが焦点となるであろう。
ある学者によると、「大部制」の改革の構想と方向は政治体制の改革に影響を及ぼし、党と政府の改革を貫き、その意義は深遠なものである。党代表大会から発せられた改革の新しいシグナルは、間もなく開催される両会議においていくらか解明されることになり、期待に値するものである。
――今年の両会議において、「人民の生活」という言葉がさらに切実な意味をもつものとなろう。住宅の価格が下がるかどうか?株式市場が株高となるかどうか?大きなことは医療改革案に至るまで、小さなことは500グラムのブタ肉の価格に至るまで、庶民と密接な関係のないものはない。 まして、当面の中国において、国内の通貨流動性が過剰で、インフレが続き、外部では欧米経済の軟調に直面し、さらにはマクロ政策の「民生傾向」はさらに国政参画・討議者の知恵を試すことになろう。
――新年とともに訪れた恵みの「初雪」は恵みが災害となってしまった。大雪害と戦う緒戦で勝利を収めたにもかかわらず、大雪害は中国の社会と経済の衝撃軽減能力にとって試練となっている。大雪害との戦いにおいて、中央政府上層部の問題を直視したことと積極的でオープンな姿勢が外部で好評を博しているにもかかわらず、千億元以上の経済的損失、地方の交通、電力、基盤施設の天災の前で明らかになったぜいじゃく性、社会の緊急対策の明らかな欠落などのことは、いずれも両会議がどうしても向き合わなければならない難問題である。
――北京五輪は1歩1歩と近づいてきており、いくつかの「うわさ」がまた外国のメディアにくり返し書き立てられ、例えばスピルバーグ監督がダルフル問題を理由に北京五輪の芸術顧問を辞任したこと、日本の「ギョーザによる中毒」事件のため、いま一度中国産食品が冷遇されることになっているなどがそれである。
オリンピックという盛大なイベントの魅力はとっくに全世界を巻き込み、少々の雑音で北京五輪の成功が傷つくことはあり得ない。スタジアム、体育館などのスポツ施設の建設は質を確保する上で期限どおり完工することになっており、「鳥の巣」といわれるスタジアム近くの高架橋は観光客が「鳥の巣」を眺めたり、写真を撮ったりする名所となっている。北京五輪の400万枚以上のチケットは全部注文し尽くされ、多くの外人観光客はすでに争ってホテルの客室を予約し始め、数十カ国の国家元首がすでに北京五輪の盛会の開幕式に自ら出席することを決めている。
国外のメディアは、2OO8年は名実ともに中国年であり、北京五輪は中国が世界的大国の列に入るための「踏み台」となるであろう、としている。
この「世界的大国への仲間入り」は、今春の両会議にどれほどの「チャンス」と「テークオフ」にかかわる話題をもたらすことになろうか?人々はそれをじっと見守っている。
「チャイナネット」2008年2月27日
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