答 過去20年余りの間、中国経済の年平均成長率は9.6%で、とくに03年から新たな成長期を迎えた。03年の経済成長率は10.0%で、04年は10.1%、05年は10.4%、06年は10.7%だった。経済成長率が急速に伸びたことで、中国の経済発展史で再び奇跡が創出された。
経済の急成長をもたらした原因は多方面にわたる。まず、投資がけん引したことである。投資の経済成長に対する貢献率は70%以上に達している。次に、こうした経済成長は工業化と都市化の推進の加速を背景に達成されたもので、しっかりとした基盤があり、住民の消費と産業の発展という力強いけん引があり、それが中国の総体的な生産能力と経済の発展とほぼ協調し、一致していたからだ。第3に、労働力の供給と資本の備蓄が十分であり、人口の高齢化傾向にあっても、社会の総体的な扶養者係数は低く、加えて市場経済体制とマクロ調整メカニズムが絶えず完備されていることが、中国経済の急成長にとって良好な外的条件と制度上の保証になっている。
総体的に言って、現在の経済成長率は正常なものだが、喜びの中にも憂いはある。主に経済成長のために払った代価が大きすぎることだ。経済成長方式を転換せず、構造を最適化せず、資源を過度に消費する状況を改めなければ、中国経済は順調に発展できないばかりか、急速に発展することもできない。もちろん、20年連続で高度成長を維持した後も、引き続き比較的速い成長率を保持するのは決して容易でないことをわれわれはよく知っている。しかし、内外のさまざまな要素を総合すれば、経済専門家が予測するように、25年までは8%~10%の成長率は保持できるだろう。
実際、8%の経済成長率は低い速度ではなく、世界の平均成長率をはるかに上回っている。同時に、これは所期の目標だが、実行の過程で調整することも可能であり、この目標を達成する条件は備わっていると言える。現在、中国経済の発展は重要な戦略的チャンスの時期にある。中国は十数億もの人口、たえず拡大する市場のニーズ、資質が絶えず向上している豊かな労働力資源を有しており、長年にわたって形成されてきた高い預貯金率は資本の蓄積や投資に有利であり、絶えず深化し続ける政治や経済体制改革は強大な推進力となっており、しかも社会と政治は安定を維持している。時機を的確にとらえ、優位性を発揮し、利に走り害を避けてはじめて、経済グローバル化の過程でプラスとなる発展に向けた地位を得ることが可能となる。中国は経済の発展が引き続き安定した比較的速い成長率を保持する条件と能力を備えている。 |