6月1日から、これまで店舗によって提供されてきたレジ袋が有料化される。だが、早くも17年前から、北京豊台区豊台街道に住む78歳の劉穎さんは、環境にやさしい布袋を自分で縫って他人に贈ることを始めた。
このことで、この老人はコミュニティ住民の選挙によって、環境保護の星と評価された。
劉さんの部屋には、窓の前に1台のミシンが置かれ、柄と色がまちまちな生地と半製品がテーブルとベッドに整然と並べられている。耳もよく聞こえ目もよく見え、背中も曲がらず、頭の回転も速く、話もユーモアに富んでいる彼女が、もう78歳になったとは信じ難い。彼女は昼間のほとんどの時間を布袋づくりに使っている。
幼いころから縫い物などの女性の仕事を好んでいたため、1987年に離職して暇ができたことから、はぎれを接ぎ合わせて袋を作った。家に遊びに来た隣近所のお婆さんがこれを気に入り、手放すに忍びない様子だったため、彼女に贈った。「その時はとっくに買い物かごを使う人はいなくなっていた。店舗からレジ袋をもらえるからだ」と老人は話した。「木の上に引っかかったレジ袋を目にすると、布袋を多めにつくって親戚や仲間たちに贈ろうと思った。レジ袋を使う人が少なければ少ないほど、汚染は少なくなるじゃないか」とも言う。
そこで、家から使わない布を全部探し出して、さまざまなデザインの袋を作った。袋がきれいで実用的なので、みんなに愛用された。老人の退職金は多いとは言えないが、大学生の孫と眼病にかかっている娘と孫娘の足しにしなければならない。そうした家族の必要経費以外はすべて、布袋づくりにお金を使う。
「子供たちはたいへん私を理解し、後押しをしてくれている。安い生地を買うために、バスを2、3回も乗り換えて、民族文化宮や木犀園、地壇などの綿布の卸売市場に行くこともある。それに、重さ2、30キロの布も自分で背負って帰る」
こう語る老人は、1990年代から今までの17年間に、すでに3335枚の袋をつくって他人に贈ったが、その経費は恐らく9000元を上回ることになるという。
「北京週報日本語版」2008年2月20日 |