黒龍江大学で講演を行う宮本雄二・在中国日本大使
宮本雄二在中国日本大使は1月11日午前、黒龍江大学で中日関係などの問題について講演を行った。黒龍江大学の数百人の教師と学生が講演を聞いた。
中日関係の問題に言及する際、宮本雄二大使は次のように語った。
2008年の日中平和友好条約締結30周年に当たって、日中両国の未来は協力かまたは対立かを選ぶ問題ではなくて、どのように効果的に責任をもって協力を行うかという問題である。友人は選ぶことができるが、隣人は選ぶことができない。日本はあの時期の歴史を正視し、前車の轍を繰り返さないようにすべきである。双方は互いに理解し合うべきで、感情面の要素を最大限に弱めることが日中関係の発展にとって重要な意義をもっている。
黒龍江大学は宮本雄二大使に掛け軸を贈った
中国の発展は世界の注目を集めており、遠くない将来において、世界は再度強大な中国を目にすることができると信じるものである。そのため、日本では中国が強大になったら日本に不利ではないかと心配する人がいる。しかし、日本が中国より強大になったのは極めて短い一時期にすぎず、中国が強大になってもなにを恐れることがあろうか。日本は過去に戻っていくだけだ。日中両国はいずれも東方の大国で、東方の伝統的美徳を持つべきで、「己の欲せざるところは人に施すなかれ(自分の嫌だと思うことは人にもするな)」ということばもあるので、このような心配は必要ではない。
日中双方は広い度量で相手を公平かつ客観的、冷静に評価し、“君子の態度”で両国の問題に対応すべきである。われわれは自らからやり始め、両国の未来の協力に力を尽くすべきだと思っている。中国の魯迅先生は「故郷」の中で「希望というものは本来あるともいえないし、ないともいえない。それはちょうど地上の路のようなものだ。実際地上にはもともと路はなかったのであり、歩む人が多くなれば、おのずと路になるものなのだ」と述べている。私は日中両国の間で良好な環境をつくりあげ、日本を理解し、日本語を学び、日本企業に働く中国人がすべて日中関係の発展のために自分の努力を傾けることができるようにしたいと思っている。
「北京週報日本語版」2008年1月15日 |