|
福田康夫首相は12月28日午後、北京大学で講演を行い、中日両国の若者たちを前に中日関係の将来についての考えを語った。講演場所は北京大の講堂。プーチンロシア大統領、クリントン前米大統領、キム・デジュン（金大中）元韓国大統領もかつてここで講演を行った。 |
|
「今後50年、100年先といった長期的観点に立って、互いに理解を深め、互いの違いを尊重し、共に学び合っていく人を日中双方に育てることが大切です」と福田首相は語った。その言葉通り、出身校の早稲田大学と北京大の長い協力の関わりや中日間の青少年交流イベントなど、40分余りにわたる講演の中、日中青少年交流促進についての話が約三分の一を占めた。講演後、福田首相の講演内容についての感想を、北京大の学生と日本人留学生に聞いた。 |
|
 徐蓓さん（大学院生） 福田首相は優しい人柄でユーモアを交えて私の質問に答えてくださり、感動した。福田首相は教養の高い方だと思う。今日の講演の中でも「十年樹木、百年樹人」など文学的な言葉を何度も使った。また、福田首相は北京大の対日交流を強化することを提案し、来年北京大から100人を選抜して日本で研修させる意向を示した。これを聞いてとてもわくわくしている。これから中国の学生に日本文化を、身を以って体験するチャンスがより多く与えられることを望んでいる。
|
|
 李旖旎さん（博士）外国の首脳に会ったのは今回が初めて。クリントン米前大統領が北京大学でスピーチをした時、ちょうど試験にあたり、参加できなくて残念だった。今回は福田首相に会える機会があることが知ったら、嬉しくて胸がいっぱいだった。国の指導者が高くとまるだろうと想像していたが、福田首相は想像上の硬い政治家のイメージではなく、とても優しそうに見える。そして、日本の学生が政治にあまり興味を持たないと思っていたが、今日は福田首相の講演会に出た日本の留学生がこんなに多いとは思わなかった。
|
|
 劉建さん（博士）福田首相の講演が実際的で、首相は心からの言葉で日中関係の発展を促す願望を表した。数日前、北京大学は学校のウェブサイトで福田首相講演会参加募集の情報を発表したあと、当日申し込んだ学生が満員だった。多くの学生は学校のBBSを通じてチケットを買うが、手に入らなかった。各学部の学生はみんな今回の講演会にとても興味深そうだ。
|
|
 山口直樹さん（日本人留学生） 中国へ来てもう４年になった。現在は北京大学自然科学歴史学部の博士課程の院生だ。中国へ留学する前は、日本の東北大学で物理を専攻していた。福田首相が講演の最後に言及した中国の偉大な文学者の魯迅先生は私の母校の東北大学に留学したことがある。今日の演説の内容は想像以上に具体的で、強く引きつけられた。講演の中で両国が環境対策を共同で講じることに触れていたが、非常に重要なことだと思っている。北京滞在の４年間に車がどんどん増えて、確かに深刻な大気汚染が存在していると思っている。また、講演では、来年は中日青年友好交流年であり、中日両国は青少年の間の交流をさらに強化することも述べられた。中国に来てみて、中国の青少年は想像以上に日本のアニメーションが好きなことに気づいた。アニメファンの若者は、福田首相の名前がちょうどドラえもんの主人公・野比康夫（日本の「野比のび太」）と同じだと冗談を言っていた。
|
|
 陳桑桑さん（日本からの留学生） 私の親は中国人だが、私は日本で生まれた。現在は早稲田大学の学生で、今年９月から交換留学生として北京大学へ勉強に来た。福田首相は今日の講演で互恵協力について述べたが、これは非常に重要だと思っている。現在、日中双方は省エネや環境保全の協力を進めている。北京大学に来た後、環境についてのカリキュラムを選んだ。現在の中国人の過度な消費が環境汚染をもたらす大きな問題だと思っている。来年7月には日本に戻る。今後、私は中国と日本にそれぞれ会社を設立し、日本に中国を、中国に日本を紹介する書籍やビデオ製品などの文化的製品を翻訳、出版し、中日両国の文化を両国の国民、とくに若者に紹介したい。
|
