中国訪問を終えた福田首相は30日夜、羽田空港着の政府専用機で帰国した。首相は中国出発前、山東省曲阜市で記者団に「今回の中国訪問は大変内容のある訪問だった。中国の指導者といろいろと突っ込んだ話をした」と振り返り、今回の訪中の意義を強調した。
首相は「日本と中国が互いに協力すると両国以上の力を発揮できる。この協力関係がないと、地域、世界全体に決していいことはない」と指摘。そのうえで「日中両国の国民同士が深くお互いを理解することが必要だ。そういう理解の中で、お互いにどういうところで協力しあうか、具体的に考えていくことが必要だ」と述べ、日中間の新たな協力関係構築に改めて強い意欲を示した。
首相は30日午前、孔子の古里、曲阜市の孔子廟(びょう)を訪ね、「温故創新」との書をしたためた。見学後、記者団に「日本でも最近静かな論語ブームがあるらしい。2500年前の孔子の教えが今でも世界中の至るところで重用されている。温故知新。故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る。そういう感じがした」と述べた。
孔子廟は世界遺産に登録された儒教の聖地。今回の訪問は首相の希望だったという。
写真:孔子廟を訪れ、記念の揮毫(きごう)を見せる福田首相(前列右端)=30日午前、中国山東省・曲阜で
「asahi.com」 2007年1月1日 |