中国外交学院院長補佐・全国日本経済学会副会長の江瑞平氏
江瑞平氏は、中日経済・貿易は両国の経済発展において、いずれも全局面を左右する地位にあり、そのため経済関係の冷え込みという状況は必然的に両国政府に非常に重視された。現在、両国は戦略的互恵関係の構築を明確にしているが、「政冷経冷」の局面を打破し、両国間の経済関係や自国内の経済の発展への悪影響を回避することがその趣旨の1つである。
氏は、今回の福田首相の中国訪問は、2007年の中日外交における最後の大きなイベントであり、両国関係を発展させるうえで重要なきっかけとなり、双方が以前合意した「戦略的互恵関係」の構築も、これにより強化される可能性があるとした。
ある学者はかつて、中国経済の持続的・急速な発展及び日本経済の長期的な低迷を受けて、両国の経済関係において、中国は日本にとってますます重要となり、日本は中国にとってどんどん重要でなくなってゆくとの見方を示した。これに対し、江瑞平氏は、この観点は少なくとも全面的ではないものであると語った。
確かに、中国は日本にとってますます重要となり、対中貿易・投資の対外経済関係全般における地位は急速に上昇している。しかし、日本は中国にとってどんどん重要でなくなるというのは、誤った見方ある。2006年、中国の対日貿易が中国のGDPで占める比率は7.8%であったのに対し、日本の対中貿易のGDPに占める比率は4.9%だった。つまり、中国経済の日本への依存度は日本経済の中国への依存度より高いのである。
今月の初めの第1回中日経済ハイレベル対話開催の際、江瑞平氏は中国商務部が招請した3人の専門家の1人として会議に出席した。氏から見ると、中日経済関係には極めて大きな発展の余地がある。「中日は互いに最も主要な貿易相手となっているが、中日間では二国間FTA(自由貿易協定)交渉がスタートしていない」。こうした局面は東アジア全体の地域経済協力を妨げており、中日双方はここの点につきよく考えるべきであると江瑞平氏は指摘している。
中日経済関係の今後の発展について、江瑞平氏は、両国の相互依存度はますます高くなっており、相手国のマクロ経済政策の調整は、さまざまな面で自国に影響を与え、そのため両国はマクロ経済動向やマクロ経済政策をめぐって適時、意思疎通を行うことが必要である。「これは、未来の中日経済関係における全く新しい、高い次元の問題であろう」と江瑞平氏は言う。
「チャイナネット」2007年12月26日 |