1972年11月4日、東京の上野動物園でパンダ歓迎式典が行われた。主役は2頭のパンダ、雄のカンカン(康康)と雌のランラン(蘭蘭)だった。
カンカンとランランは同年9月に日中国交が正常化されたのを記念し「日中友好のシンボル」として中国から贈られた。式典には当時の二階堂進内閣官房長官、自民党の橋本登美三郎幹事長、外務省の青木正久政務次官、東京都の美濃部亮吉知事ら各界の関係者200人以上が出席するなど、まさに「国賓級」の歓迎ぶりだった。
また、中島健藏、西園寺公一、荻原定司、古賀忠道、清宮五郎の各氏など、日中国交回復のために尽力した「友好人士」も式典に招待された。
翌日から、カンカンとランランは一般公開された。当時パンダは「幻の動物」と言われており、一目見ようと押し寄せた人々が連日長蛇の列を作った。これをきっかけに日本では空前のパンダブームが巻き起こった。
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