中国・敦煌研究院と東京国立文化財研究所による敦煌莫高窟中日共同研究・保護第5期プロジェクト(事業)が先ごろ、正式にスタートした。
双方が結んだ取り決めに基づき、これから2011年まで敦煌莫高窟の285窟、428窟、148窟、275窟、268窟とその付龕、272窟とその付龕の研究と保護が共同で進められる。具体的内容は、壁画色彩技法とその修復技術、炭素14法年代測定など。事業が順調に実施されるように、中日双方はそれぞれ3人の委員を選出して技術委員会を結成した。双方の委員はそれぞれ中国側プロジェクト、日本側プロジェクトの責任者となる。
敦煌莫高窟は中国に現存する中で規模が最も大きく、連続造営期間が最も長く、内容が最も豊富な石窟回廊と仏教芸術の殿堂で、すでに1600年の歴史をもつ。現存する洞窟は735、壁画は4・5万平方㍍。この有名な世界の文化遺産を保護するため、この数年、国際組織や外国機関がたえずそれに参加しており、東京国立文化財研究所はその中の一つ。
日本の重要な文化財保護研究機関である東京国立文化財研究所は早くも1980年代から、専門家を集めて敦煌莫高窟の調査を行い、保護事業について話し合った。1990年、敦煌研究院と東京国立文化財研究所は敦煌莫高窟共同研究・保護プロジェクトの取り決めを結んだ。中日両国の最も早い文化財保護協力事業だった。
第1期事業終了後、双方は1996年、1999年と2002年にそれぞれ第2、3、4期協力事業の取り決めを結んだ。敦煌莫高窟の中日共同研究・保護の1潤オ4期プロジェクトの全内容がほぼ当初計画通り完了し、一連の成果が得られたことから、莫高窟保護の科学研究をたえず深めるため、中日双方は協力を継続する必要があると考えており、そこで今年も協力取り決めを結んだもの。
「2006年5月14日」 |