先ごろ遼寧省の葫蘆島市で、日本人帰還60周年記念大会が催された。
百万人にのぼる日本人の帰還は重大かつ歴史的な出来事だ。1945年、日本政府は無条件降伏を宣言。「ポツダム宣言」の精神に基づき、原則的に中国にいる日本人と捕虜はすべて日本へ帰還されることになった。当時、中国東北各地に在留していた日本人と捕虜の数は約145万人。中国人民は人道主義立場から、自らも傷を負い、食物にありつけない状況の中、多くの財力、物力と人力を投入し、日本人を母国に帰還させた。そのうち葫蘆島港から日本に戻ったのは105万人にのぼる。
それから60数年の歴史が流れた。戦争の煙は消えたものの、戦争の悲惨さは体験者の脳裏に今でも深く焼きついている……。
この重大な歴史的出来事を記念し、中日両国人民の相互信頼と理解を増進し、両国関係を改善し発展することを目的に、「葫蘆島百万人日本人帰還60周年記念大会」と関連行事が中国人民対外友好協会と遼寧省政府の主催、葫蘆島市政府の協力で6月24日から26日まで葫蘆島市で催された。
帰還60周年回顧・中日関係展望フォーラム
25日午前、会場となった葫蘆島市学術報告ホールは内外のメディアと日本の参加者で埋め尽くされた。そのうち60年前に日本に帰還した生存者とその家族、犠牲者の遺族、日本各地で中日友好運動に携わる日中友好協会々員を含め、20代から90代までの老若男女は180人を超す。
9時、帰還60周年回顧と中日関係展望フォーラムが開幕。
唐家璇国務委員と日本の村山富市元首相がそれぞれ挨拶に立った。
唐国務委員は「歴史を鑑とし、未来に目を向けて世々代々、中日友好を推し進めよう」と題して次のように述べた。「中国政府は中日関係を重視し、中日友好の方針を常に堅持している。中日関係の発展は、両国民に巨大な利益をもたらし、アジア太平洋、さらには世界の平和と安定、発展にも重要な貢献を果たした。中日関係はすでに、世界において最も重要な2国間関係の1つとなっている。近年、中日関係は深刻な政治的障害に直面しているが、これは中国の政府と人民の望まないことであり、多くの日本の人民と有識者も望んではいない。われわれは、日本の指導者が、歴史と人民と未来に対して強い責任を負うという姿勢をもって、正しい決断を下し、両国関係をめぐる政治的障害を取り除いて、中日関係を正常な発展の軌道に戻すことを希望する。これは両国人民の根本的利益に合致しており、国際社会が広く期待しているものでもある」。
村山元首相は「現在の『政冷経熱』という日中関係は憂慮に堪えない。日本政府には、一衣帯水の隣邦である中国との関係およびアジア諸国との関係に真剣に対処するよう期待したい」と強調した。
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