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両国の経済問題  
3回目のピークを迎える日本の対中投資

 

▽研究開発のコアを中国に移植し、一貫した経営システムを構築する

オムロン(中国)有限公司の山下利夫董事長(会長、総経理を兼任)は「1990年代のオムロンにとって、中国は輸出生産拠点だった。21世紀に入り、われわれは目標を定めた。中国に第二のオムロンを設立し、すべての業務・職能を中国で行うというものだ」と述べるとともに、「われわれは2007年6月に上海で世界2番目の研究開発センター『協創』を設立した。また『レベル調整とスピードアップ』の戦略を立て、2010年には世界全体の売上高の20%に当たる2千億円の利益達成という目標を立てている」と話す。

その他にもソニーや住友商事など多くの日本企業が中国への戦略的移転の歩みを速めている。

ソニー中国有限公司の高篠静雄董事長は「ソニーが中国で業務展開をスタートした当初は、主に生産・販売分野に力を集中し、中国を生産拠点ととらえていた。2004年には、上海にソニー工程設計集団を設立すると同時に、ソニー創造センターも設立。これはソニーの研究開発の中心部分、たとえば設計機能などを中国に『移植』したということだ。われわれは中国ですでに、製品の研究、開発、設計、生産、販売からアフターサービスに至る完全な業務運営システムを実現しており、これを『一貫した業務運営システム』と呼んでいる」と話す。

▽製造業からサービス業へ、新たな投資のピークを迎える

貿易・投資の促進をはかる日本貿易振興機構(JETRO)北京代表処の柴生田敦夫首席代表は「現在、中国には6つの代表機関がある。JETROが6つの代表機関を設けている国は中国と米国だけだ」と話す。

日本の対中直接・間接投資は拡大を続けており、1980年代からこれまでに3回の投資ピークを迎えている。

日本側の統計によると、現在、日本の対中投資は3回目のピークを迎えている。今年10月末現在、対中投資プロジェクトは累計3万9千件に上り、実行ベース投資額は607億8千万ドルに達した。主な投資分野は商業、サービス業、繊維・アパレル、機械、電子、運輸機械、銀行、証券など。日本は中国にとって2番目の外資導入由来国となっている。

柴生田首席代表は「日本のアジア地域における投資の中心国は主に中国で、これは変わることがないだろう。ある調査によると、今後3年間は海外で発展しようとする日本企業は、アジア地域への投資を拡大し発展するという視点を出発点にする。あらゆる国や地域の中で、販売、生産、研究開発、地域本部や物流などの各方面にわたり、アジア地域の中国が占める割合が最も高くなる」と話す。

柴生田首席代表は日本の対中投資の将来性を楽観視し、「日本企業の非製造業分野の対中投資が今後急速に増加するだろう。たとえば省エネ、環境保護、現代型サービス業、農業、アウトソーシング、研究開発などの分野だ。日中の文化交流促進に関わるクリエイティブ産業、文化産業などへの投資も増加するだろう」と述べる。

「人民網日本語版」2007年12月21日

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