外交学院 江端平
中日両国は互いに重要な経済貿易相手国だ。中日経済貿易関係のたゆまぬ発展により、両国の相互依存関係も絶えず深まっている。こうした相互依存関係における中日両国の地位は、時期によって全く異なる。国交回復後、長い時期にわたり、中国の対外経済関係や経済発展における対日経済関係の地位は、日本の対外経済関係や経済発展における対中経済関係の地位より、明らかに高かった。しかし最近では、中国経済の持続的かつ急速な成長や、経済的な実力の空前の増強、対外経済関係の全面的な発展などに伴い、中日経済の相互依存関係には根底からの変化が生まれつつある。主な方向としては、中国の対外経済関係における対日経済関係の地位が相対的に低下する一方、日本の対外経済関係全体と経済発展における対中経済関係の地位が目立って向上していることが挙げられる。
(1)中国の対外経済関係の中で、相対的に低下する日本の地位
中国の対外経済関係全体における対日経済関係の地位の相対的な低下について、次の3つの面から実証することができる。
◇中国の貿易全体に占める対日貿易の割合が減少
対日貿易の比重は、1985年に23.6%に達した後、1995年には20.5%、2000年には17.5%、2003年には15.7%へ低下している。2003年は、輸出全体に占める対日輸出の割合が13.6%にとどまり、米国、欧州連合(EU)に次ぐ3位となった。
◇中国の外資導入全体における日本資本の割合が減少
日本企業の対中直接投資は急増し、日本側の統計では2000年に前年比32.2%増、2001年に同43.6%増、2002年に同22.2%増、2003年に同65%増となった。しかし、中国の外資導入額全体の伸びが日本資本導入のペースを上回ったため、日本資本の比重は相対的に低下している。実行ベースの外貨導入額のうち、日本資本の割合は90年の14.4%から、2002年には7.9%まで低下している。
◇中国に対する日本の政府開発援助(ODA)の大幅削減
日本の対中ODAの中心である円借款は、2000年に2144億円に達した後、大幅に減少しており、2003年は2000年のわずか45.1%の967億円にまで削減された。
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