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本誌報道  
史料集は歴史研究の基礎

本誌記者・繆暁陽 

張生教授

『南京大虐殺史料集』

 

中国社会科学院中日歴史研究センターが2000年、「南京大虐殺の史料編さん」という課題を提起したのを受け、南京大学歴史学部の張憲文教授は専門家、学者を組織して、各方面が大々的に支持するなか、同年から『南京大虐殺史料集』のための資料収集と編さん、出版作業を開始した。05年までに第1次として28巻を出版、字数は約1万5000字。内外の社会・学術界から幅広い関心を集め、今年12月には第2次、合計27巻を出版した。前回の28巻を合わせると字数は3000万字近くにのぼる。このほど、記者は第29-55巻が出版されたのを機に、南京大学歴史学部博士課程の指導教官、南京大虐殺研究所副所長の張生教授にインタビューした。

記者 南京大虐殺史料集を編集した初志は何だったのでしょう。

張教授 史料集は、私たちが研究作業を展開する基礎であり、大虐殺の研究をより理性化、科学化したものです。史料集が編集、出版される前は、研究資料はかなり不足し、研究で引用する資料源も非常に限られていたため、二次、三次的な資料が多く含まれており、論文後記の注釈源も非常に単一的でした。史料集では関係資料、とくに第一線の資料をできるだけ多く収集することで、この間の歴史を研究するための資料として比較的確かなものにしたいと考えました。

記者 研究資料は主に、どんな方面からのものなのでしょう。

張教授 現在の資料は主に、3つの面に由来しています。加害者と被害者、第三者です。加害者の主要な資料源は2つあります。1つは日本です。日本軍の公文書、士官や兵士の日記、書簡など。量は膨大で、日本に行くたびに新しい発見がありました。この発見によって、私たちはその他の資料源を思いつくことができました。さらに、一部の日本軍士官、兵士に関する資料は米国にもあり、それは主に極東裁判に関するものです。

 中国側の資料は量が最も多いと言えるでしょう。この数年、相次いで発見されています。多くの資料は南京裁判の際に使われています。大半の資料は南京裁判以後のものです。

 加害者と被害者のほかにも、南京大虐殺の期間に中立的立場にいた西洋人、第三者の資料も数多く発見されています。個人の判断や細部の描写ではやや異なるものの、南京大虐殺が1つの歴史事実であることは広く認めれらているのです。昨年、米国立公文書館で資料を収集していた際、極めて価値のある機密文書を発見しました。日本の広田弘毅首相が1938年1月17日に、東京から米国の日本大使館に発信した機密電報です。それは米国によって解読されていました。電文の内容は「数日前、上海に戻り、日本軍の南京とその他の一部地方での残虐行為に関する報道について調べた。信頼できる目撃者が直接数えた、また信頼度の極めて高い一部の人の書簡にもとづけば、それは十分に証明できるであろう。少なくとも30万の中国平民が殺戮に遭い、その多くは極めて残虐で血なまぐさい虐殺だった」というものです。これまでに収集した資料のなかでは、最も早く南京の30万人市民の殺戮に言及しており、その証拠となるものです。

 

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