答 03年に新型肺炎(SARS)が発生し、初期の対応が不十分であったことから、厳しい教訓を得た。その後、数年の間に台風や炭鉱でのガス爆発事故、地震、感染症などの災害がしばしば発生し、人びとの生命と財産の安全に深刻な影響が出た。
中国には「雨が降らないうちに窓や戸を修繕し、災を未然に防ぐ」という言葉ある。そのため、どのようにして、これらの危機に対応するか、公共的な突発事件の発生を防ぐか。それを具体的に示しているのが、政府が人間本位を旨とし、人びとのために執政し、政府機能の全面的な履行を堅持していることだ。政府は06年6月24日、第10期全国人民代表大会常務委員会第22回会議に初めて「突発的事件の対応法(草案)」を提出し、同法は採択された。緊急性や状況の変化、社会にもたらす影響の度合いに応じて、予報等級を「特別重大」「重大」「比較的大きい」「一般」の4クラスに分類し、それぞれ赤、オレンジ、黄、青で示すとともに、危機を効果的に抑え、悪影響を最低限に食い止めるため、各地方政府に必要な処置を講じるための権限を与え、そのうち予見可能な突発事件については、政府は予報制度を採用し、予見不可能なものについては、発生した場合、平素の管理から緊急管理項目に組み入れることにした。
突発事件について、政府は1つの原則を堅持している。即ち、発生後、人びとの生命と財産の安全を擁護し、大衆を救援することを政府の最も重要な仕事にしている。この趣旨を実現するため、今政府は監視、予測・予報、情報報告、政策決定支援、手配・指揮、総括・評価などの機能を備えた総合緊急対応策を国、地方の人民政府で制定しているところだ。緊急対応策や緊急対応管理体制、メカニズム、法制の整備、対応策の管理を強化し、対応策の予行演習を経常的に展開し、各事業体の協調性のある対応と職責の着実な実行を促進するとともに、相応する緊急対応管理指揮部や救援隊を設置し、さまざまな資源の管理を行うことにしている。公共的な突発事件が発生した場合、事件が発生した事業体とその影響を直接受ける事業体は、対応策に基づいて直ちに有効な措置を講じ、初期処置を速やかに進めるとともに、規定に基づいて適時報告する。報告の遅れや漏れ、隠ぺい、虚偽の報告を行った者に対しては、法に基づいてその責任を追及することにしている。
同時に、政府は公共的な突発事件に対する評価制度を確立し、健全化させた。さらに客観的かつ科学的な評価方法の制定について検討し、公共の安全と緊急対応防護知識を宣伝して普及させ、関連情報の確認、審査、管理を強化するとともに、情報の公表と世論の指導を円滑に行うことで、公共的な突発事件を積極的かつ適切に処理する良好な世論、環境を整えた。今後数年の間に、緊急対応管理に関するさまざまな法律、法規をさらに完備し、政府が主導し、各当局が協調し、軍隊と地方が結束し、全社会がともに参与する緊急対応管理作業の枠組みを整えて、公共的な突発事件への対応能力を高めていく方針だ。 |