今なお確立されぬ有償回収メカニズム
張経主任は「さまざまなタイヤの再生・回収・リサイクルは重要な分野だが、中国ではあまり知られていない」と語った。
同主任の説明によると、中国の自動車製造業に必要なゴムの数は天文学的な数ではあるが、年間生産量はわずか40~60万トン。02年から4年連続で世界のゴム消費のトップを走っており、70%以上が輸入に依存し、05年だけでも約30億ドルを費やした。
「回収を通じてゴム再生産業を発展させなければ、ゴム資源が減少していくのは必至で、最終的には輸入に依存しなければ各方面のニーズを維持していくことができなくなる」と中国タイヤ再生・リサイクル協会(以下「協会」と略)の姜治雲会長は指摘した。
協会の統計によると、05年、中国は約2億5000万本のタイヤを生産するとともに、廃タイヤを約1億3000万本出した。
廃タイヤのリサイクルの第一ステップは回収だ。「しかし、回収はそれほど簡単なことではない」と姜治雲会長は指摘。
10年~20年後、中国の自動車保有台数が7000万台~1億台に達した時、世界のすべてのゴムを中国に供給してもまだ足りない、と予言した専門家もいる。このため、いかに資源ゴムの消費量を引き下げるか、いかに廃タイヤのリサイクルを発展させるかが、当面の急務となっている。
中国のタイヤ再生産業は今年まで70年の歴史を辿ってきたが、ゴムとタイヤの再生という廃棄物の回収利用問題は業界内で小さな専門分野と見なされ冷遇されている。現在、北京市には自動車修理工場が約7300社設立されたものの、それなりの規模をもっているものは470社余りにすぎない。廃タイヤをどこに売るべきかも知らず、買いたい人が訪れたら売るだけのことだ。こうしてタイヤ再生市場の混乱を招くことになった。
「市場経済の刺激によって、中国ではタイヤの回収・処分のネットワークが民間で形成されている」と張経さんは言う。目下、広東や浙江、山東の諸省では、廃タイヤの集散加工センターが自然発生的にできただけでなく、一定の規模を備えている。しかし、加工設備は非常に立ち遅れ作業条件が悪いうえ、資源の浪費や環境汚染が深刻で、安全面で際立った問題が存在している。
「北京週報日本語版」2007年12月5日 |