先般、20世紀30年代の南京職員・労働者界救国会責任者であった薛葆寧さんのアルバムが南京市で見つかった。その中に収めれた40枚の写真の中に、日本軍が南京を攻撃・占領したことを反映した写真が10数枚があった。30日、これらの貴重な写真ははじめて社会に公開され、南京民間抗日戦争史料陳列館に収蔵されることになった。
南京市の歴史の専門家は、これらの写真は複製品や印刷物ではなく、本当の原版の写真であるため、非常に貴重である、と見ている。
この十数枚の写真の中では、敵機の爆撃によって悲惨にも命を落とした南京市民を撮影対象としたのが4枚あり、また「1937-7-11」という説明の文字が書かれている。江蘇省社会科学院歴史研究所の王衛星副所長によると、『近世中西歴史の日付対照表』を調べたところ、「1937-7-11」は旧暦の日付で、つまり西暦の1937年8月16日のことであり、ちょうど旧日本軍が南京爆撃を始めた日の翌日に当たることが分かった。
また、撃墜された日本軍の爆撃機を映した写真も4枚あり、「撃墜された『墨根津の敵機』の残骸」という説明文がついている。写真に写っている日本海軍の軍旗及び専用のゴムボードからみると、この「敵機」は日本軍の軍用機であることに間違いない。発音がよく似ているので、撮影したものは「木更津の敵機」を「墨根津の敵機」と間違えたようである、と王衛星副所長は見ている。また、撮影したのは1937年8月であると見られている。
これらの写真の価値に触れ、南京の歴史の専門家は次のように述べた。中国を侵略した旧日本軍が南京攻撃の歴史資料図の中の大部分は爆撃された後の市街の模様を反映したものであったが、負傷したり、死んだりした人たちを撮影対象としたものは極めて稀で珍しいものである。薛葆寧さんのアルバムに収められた写真は、第3巻の『南京大虐殺資料集』に収録されることになっている。
「チャイナネット」2007年11月30日 |