「資源回収に関する基本的な常識が非常に欠如しているため、中国では資源回収とリサイクルに関する法律・法規が今なお制定されておらず、具体的で系統的なリサイクル関連の政策もないうえ、小学校の教科書に書かれていた“中国は土地が広くて資源が豊富である”という誤った考え方を闇雲に信じて、その観念の上にあぐらをかいている」。こう指摘したのは、中国法学会経済法研究会の常務理事で中国業界団体商会サイト専門家委員会の張経主任。彼はさらに中国のリサイクル産業の保護と現状についてその見解を明らかにした。
再資源化、まだまだ不十分
中国は一人当たりの資源が乏しい国であり、建設に多量に必要な45種類の資源は、その一人当たりの保有量が世界の半分にも及ばない。ある資料によると、05年には鉄鋼くずや廃非鉄金属などの再生資源を3000万トン輸入している。だが、国内市場では、500万トンの鉄鋼くずや1400万トンの紙くずなどの再生資源が回収利用されておらず、その価値は約900億元に達する。全国で毎年、回収利用されていない再生資源は350億~400億ドルにも達している。
張経主任は「再生とは、新製品が法で定めた廃棄処分の期限まで合理的に使用された後、その中の再利用できるものを加工して、1回ひいては何回も新たに使用できるものにすることだ」と説明。世界では、立法を通じてリサイクル産業を保護し、規範化しており、廃タイヤの回収に政府から補助金を支給している国が多い。しかし、中国はリサイクル産業の規範化と保護においては世界からかなりかけ離れている。今年5月1日から「再生資源の回収管理規則」が施行され始めたが、社会の関心をまったく集めていないのが中国の現状だ。
「北京週報日本語版」2007年11月30日
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