2008年の北京オリンピックでは、北京市に各国の選手団、スタッフ、メディア関係者など25万人と、競技観戦者700万人(延べ)が訪れるとみられ、1300万食の食事が提供される。五輪の食事提供には、豊富な種類と高いレベルの料理が求められ、提供期間が長く、レストランも広く分散するなどの特徴がある。五輪食品安全保障活動を担当する北京市工商局では、食品の安全な供給のため、三つの体制整備、四つの段階のコントロール、五つの措置強化を打ち出した。
三つの体制は食品安全監督管理、監視ネットワーク、食品信用システムという三つの体制。食品の安全性を保証するためにコントロールする四つの段階は、生産、加工、流通、消費。
そして五輪の食品安全のカギは、各管理措置の実施強化にある。まず食品の安全基準と法規の整備。これまでに10大類、345品目の基準が定められている。年末までには「北京市食品安全監督管理条例」が公布され、法的側面から食品安全の確保を支援する。
次に、動物性食品の監督。動物の感染症を予防・抑制・監視・警報するための体制を高める。このほか、重点食品のトレーサビリティシステムの構築がある。これには畜産品を主とした農産品について、各大型卸売り市場、配送センター、スーパーマーケットチェーン店などに情報端末を置くことや、アルコール類や乳製品をトレーサビリティシステムに取り込むことなどが予定されている。
食品安全保障事業については、すでに第一段階としての成果が挙がっている。今年8月~10月に五輪を想定して開催された競技会「グッドラック北京」では、ボートなどの水上競技、ビーチバレー、アーチェリーなど15競技の大会で会場16カ所、ホテル34カ所、メーカーと配送業者20社余りが利用されたが、食品に起因する事件は起こらなかった。
「人民網日本語版」2007年11月26日 |