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中国を透視する―中国・一問一答  
問 長年にわたり、一部の国は中国が死刑を廃止するよう望んでいる。死刑の審査・許可権は07年1月1日から最高人民法院が統一的に行使することになった。こうした措置によって、死刑を厳しく抑制する目的は達成できるのか。

 現在、中国では死刑廃止の条件はまだ整っていない。そのため、「死刑を残し、死刑を厳しく抑制する」ことが当面の政策である。しかし、適用範囲は徐々に縮小していく。

死刑廃止は1つの発展方向であり、それにはまだ時間がかかる。これまで死刑の審査権・許可権は各省・自治区・直轄市に移譲していたが、07年1月1日から全国最高人民法院が統一的に行使するようになった。これはこの20年余りの間で、死刑の適用手順について行った最も重大な調整であり、その主目的は死刑適用の基準を統一化し、法制の統一化を実現することにある。

これまでは、各地によって死刑基準を緩めたり、厳しくしたりと不統一だったが、死刑の審査・許可権が最高人民法院に戻ったことでこうした問題はなくなった。とくに死刑再審の過程では、最高人民法院が被告人の合法的権利を十分に保障し、証拠が疑わしい場合は、証拠を調べて確認し、必要な時には事件発生現場を調査している。合議法廷は調書を審査したうえで、死刑を認めるべきだと考えた場合には、原則的に被告人に尋問し、その場で被告人の意見を聴取し、被告人も書簡の形で合議法廷に自分の意見を反映させることができる。死刑の再審期間中、被告人が依頼した弁護士は人民法院に弁護意見を提出するとともに、記録文書を作成することができる。これらの措置によって、被告人の提訴の権利が着実に保障され、死刑にかかわる事件については、事実の明確性、証拠の確実性、判決の正確性、量刑の妥当性、審判過程の合法性を確保して、時間の試練に耐えるものにしていくつもりだ。

また、死刑の審査・許可権が最高人民法院に戻ったことで、死刑の再審と死刑にかかわる二審の法廷を別々に開き、従来の1つの手順を2つの手順に変えることにした。これは寃罪や誤審を防止するうえで重要な手順であり、被告人に法廷で自分の意見を述べる機会をもう1度与えることにもなる。これらは現段階では中国は死刑を廃止しないが、死刑に慎重に対処することで、徐々に死刑を減らしていく刑法改革の方向を示すものでもある。

最高人民法院による死刑審査・許可権の統一的行使は、死刑の審理手順がより公正になっただけでなく、中国が死刑の適用により慎重になっていることをも意味している。その結果、死刑の件数は徐々に減っていくだろう。全国最高人民法院が死刑審査・許可権を統一的に行使することで、死刑件数は少なくとも20%減少すると予想されている。

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