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月探査プロジェクト総指揮者インタビュー

中国の月探査は流行を追うものにあらず

中国はなぜ月探査を行うのか?近年になって各国が次々と新しい月探査のプロジェクトを発表しているが、月探査は中国と世界にいったい何をもたらすのか? 中国月周回探査プロジェクトで総指揮を務める欒恩傑氏が、記者の素朴な疑問に答えた。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。

中国の月探査プロジェクトは、科学技術や社会の発展の自然な結果で、流行を追いかける質のものではない。「両弾一星(原子爆弾・弾道ミサイル・人工衛星)」をスローガンとしていた過去から有人宇宙飛行や月探査を行う現在に至るまで、中国の宇宙開発事業の発展過程は人類の知識と国家の発展にしたがって発展してきた。月探査の領域で、中国はほかのいかなる国家や組織とも競争をする気はない。中国が月探査計画を発表した2000年には、まだ現在のような世界にまたがる月探査熱は存在しなかった。

今回の月探査に至った大きな理由を一つあげれば、キャリアロケットの運送能力と衛星の基本的能力が、月に向けて探査機を飛ばす段階、さらに遠い宇宙探査へ乗り出す段階にすでに達したことだ。今回は中国にとって初の、月を目指すプロジェクトである。この一歩を踏み出さなければ、さらに遠い宇宙を目指すことはできない。この道を誰が通ったことがあるかということは関係ない。最初の一歩がなければ、次の二歩目もない。科学発展の必然とはそういうことだ。

また、月探査事業は非常に強い牽引力を持っている。宇宙開発だけではなく、科学技術全体を引っ張っていく力を持つ。月探査プロジェクトを進めることによって、天文学、宇宙環境学、宇宙化学、宇宙生物学などにも相応の研究成果をもたらすことになる。

月探査プロジェクト、出費は少なく成果は大きく

  月周回探査プロジェクトは研究開発から実際の建設までに6000人以上の人々と200社以上の企業が関わり、3年余りで完成した。全プロジェクトに投じられた資金は14億元。14億元といえば、およそ14キロ分の高速道路を敷くのに要する金額だ。だがこのプロジェクトは、中国から月まで38万キロの道を敷いた。まさに少ない出費で大きな成果を目指すプロジェクトだ。

  プロジェクトが「出費は少なく」を実現できた背景には、「既存の技術を十分に利用し、既存の設備と条件の上にさらに優秀なものを築き上げる」という思想の貫徹がある。ロケット・地上設備・衛星プラットフォームなど既存の施設や技術は、「嫦娥(じょうが)1号」建設の要求にしたがって一部改良した上で十分に利用された。

 
  ▽中国独自の開発プロジェクトとして

  24日打ち上げが完了した「嫦娥(じょうが)1号」は、中国が独自に展開し自らの力で完成させたプロジェクトである。

  月周回探査プロジェクトは提案から設計、研究開発、打ち上げ過程にいたる現在まで、いかなる国家や組織の援助も受けずに進められてきた。衛星に備え付けられたあらゆる重要な装備や計器もすべて中国が独自に開発製造したものだ。また、開発後に行われた大量の実験も、コンピューター上の実験から実物を使った実験に至るまですべて、自国の持つ実験設備と技術環境を利用して行われ、外国で行われたものはない。

  国際協力は奨励されるべきであり、宇宙開発事業も国際協力を必要としている。この度の月周回探査プロジェクトにおいても、観測制御の分野では国際協力が展開されている。けれども、中国の宇宙開発事業は自力更生を基本理念に立脚し、その理念は今後も変わることはない。 

「人民網日本語版」2007年10月25日

 

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