本誌記者 黄 衛
今年9月、重慶市人民代表大会常務委員会は、今年から毎年11月の第1日曜を「農民労働者の日」とすることを決めた。これは全国初の農民労働者のための祝日だ。
第17回党大会に出席した重慶市代表団は、党大会における胡錦涛総書記の活動報告に関する討論を行った。その席上、同市党委員会の何事忠代表は「これは探求であり、その目指すところは、1、農民労働者の社会的地位の向上、2、合法的権益の擁護、3、文化的生活を豊かにすること、4、農民が都市や企業に融け込める環境の醸成、5、都市と農村の統一的発展に影響する思想的障壁を取り除くこと、6、都市・農村の統一的発展計画の実験都市としての重慶市の改革を促すこと、などだ」と「農民労働者の日」を設ける趣旨をさらに明らかにした。
また、何事忠代表によると、今年の「農民労働者の日」のテーマは、「都市に融け込み、価値を味わう」ことだという。市政府は就業や居住、法律、入学、医療・衛生、文化などの面で宣伝を行い、さまざまな活動を繰り広げることで、農民労働者に関心を寄せる雰囲気を醸成するとともに、農民労働者のために無料で健康診断を行ったり、無料の市内観光を組織したりする予定だ。ほかに、当日は関係政府機関が現場で協力し合い、職業訓練や労働保護、社会保障、戸籍管理、子女の教育、医療・衛生などの問題に関する相談業務を行う。
「重慶日報」の報道によると、重慶市党委員会は、今後の人民代表の選挙では5%の比率で農民労働者の代表を推薦するよう市人大に提案した。
代表たちは討論の中で、胡錦涛総書記が活動報告の中で提起した「都市・農村の発展を統一的に計画し、社会主義の新しい農村の建設を推し進める」という課題について活発な討論を展開した。
童小平副市長は「農業・農村・農民問題をりっぱに解決することは、都市化のプロセスを推進し、都市と農村の調和のとれた発展を遂げるカギだ」と指摘した。国務院は今年6月、同市に都市と農村の改革を統一的に行う実験地区を設立することを正式に認可した。「この仕事の難関と突破口は、農民労働者の問題を解決することにある」と同副市長は見ている。
重慶市は3200万人を有するが、うち約2300万人が農民人口で70%以上を占めている。同市は農民労働者を送り出す大きな都市であり、農民労働者の就職者数が多い都市でもある。「農民労働者は都市と農村をつなぐ存在で、その利益も都市と農村にかかわっている。彼らの生活状況は、都市・農村の統一的発展計画の状況を決める大きな要素になる。ところが、この重要な農民労働者層の生存や発展、生活の向上については、十分な制度的保障を得ていない。国務院が昨年発した『農民労働者問題の解決に関する若干の意見』という5号文書は、この問題を最優先課題と位置付けた」こう語るのは同市党委員会の汪洋書記だ。同氏はさらに、「重慶市が的確に農民労働者問題の解決策を探りあてれば、本市だけでなく、全国にも資するところがある」と指摘した。
「北京週報日本語版」2007年10月17日 |