国家林業局臥竜自然保護区管理局々長で、中国パンダ研究センターの張和民主任は、四川省の深い山と谷に囲まれた臥竜で24年間も仕事を続けている。自らのすべての知恵を「国宝」と呼ばれているジャイアントパンダの保護と研究事業に捧げている人だ。
四川大学の生物学部で動物学を専攻し、83年8月の卒業後、四川省阿壩チベット族・チャン族自治州の汶川県に配属され、パンダの保護を目指す野外調査研究の仕事に身を投じた。臥竜保護区では、世界自然保護基金(WWF)が派遣した専門家と一緒に、野生パンダの生態や行動、群れの動き、主食の竹類などに関する研究に従事。パンダの足跡を求めて毎日、密林を30キロも歩き回ったという。
およそ700日の昼夜にわたる苦労の末、保護区内の野生パンダの群れの動きや頭数、分布の状況を把握するとともに、竹類に関する研究も完成させた。
パンダの自然繁殖率は非常に低い。人工繁殖はさらに難しく、発情しない、交配しない、子は育たない、が世界の3大難関だ。
張主任は国家林業部に策定した「91年~94年の臥竜でのパンダ繁殖の難関突破」計画を自発的に引き受けた。パンダが互いに触れ合える野生の環境を整えたり、食べ物を科学的に配合したり、餌の与え方を多様化したりすると同時に、人工授精の技術や人工飼育の方法に改良を加えた。この4年間で、研究センターは人工繁殖に6回も成功し、8頭が生まれ、6頭が成長するなど、人工繁殖で世界記録を更新している。
その後、子を育てるために使っていた従来の箱を改良し、免疫力が増強されたことで、98年にようやく3大難関を突破。00年だけで、8回も成功し、12頭が生まれ、11頭が成長し、人工繁殖の奇跡を創造した。
また張主任は、木の上に人工の巣を作る研究や毛や尿にある生殖ホルモンの研究など、20数件の研究課題に取り組んだほか、内外の学術刊行物に論文を発表し、人工飼育に関する専門書も出版した。その学術的成果は内外で幅広く受け入れられ、応用されている。
張主任は「初秋はパンダ繁殖の研究に最適の時節です。現在、生殖原理の研究という新たな課題に取り組んでおり、できるだけ早く妊娠メカニズムの解明を目指しているところです」と語った。
「北京週報日本語版」2007年9月19日 |