最高人民検察院汚職・賄賂防止総局の王利民副局長はこのほど開かれた全国ベスト百県(市)の検察長会議で、汚職や賄賂に関し8点の新たな特徴を分析し、報告した。
賄賂の処分総件数が安定
腐敗の取り締りが絶えず強化され、腐敗防止の措置が徐々に効果を上げるのに伴い、この数年、検察機関による処分総件数は安定している。だが、重大事件が逆に増加の傾向にある。
県処長クラス以上の犯罪比率が大きい
昨年、検察機関が汚職や賄賂の容疑で処分した県の処長クラス以上の幹部は全国で2435人にのぼり、立件総件数の7.6%を占めた。
資金が集約する分野で多発
金融や交通関連分野ではこれまでも汚職や賄賂が多発していたが、食品や薬品の監督・管理、企画、環境保護などの機関でも、職権が拡大されるに伴って汚職や賄賂が発生しつつある。
国有企業職員の犯罪が減少
犯罪の構図から見ると、国有企業の職員による汚職や賄賂は減少しつつあるが、政府機関の職員による犯罪は増加傾向にある。
賄賂が著しく増加
汚職や公金流用は主に国有の企業や非営利団体で起きており、政府機関の職員による犯罪のほとんどは賄賂である。国有企業の体制改革が進むに伴い、汚職や公金流用は減少したが、賄賂の比率は上昇している。
一部地方や業界での集団犯罪が増加
摘発した多くの事件では、関係者が数十人、あるいは百人にのぼるケースもある。腐敗は一部の地方や業界でかなり深刻であり、上下また内外間の癒着による犯罪が目立っている。
手段がより隠蔽的かつ狡猾的
とくに賄賂では、低価格で購入して高価格で売り出したり、協力の名目で投資したり、他人に委託して財産を管理したり、他人名義で報酬をもらうなどの形で犯罪を隠蔽するケースがある。
国外逃走が増加
統計によると、現在、国外へ逃れている汚職官僚は約200人にのぼる。
腐敗は社会の「重症のがん」と言われ、賄賂はまさにその病巣であり、国や公共の利益、庶民の切実な利益を損ねているほか、経済の持続的かつ健全な発展を阻害し、社会の調和と安定に影響を及ぼし、党と政府、社会の気風を腐敗させている。汚職や賄賂を効果的に抑制するには、党中央が定めた腐敗取り締りの方針に沿って、徹底的に摘発し、防止に力を入れるとともに、教育や処罰、監督をともに重視した腐敗防止体制の構築を積極的に進めていかなければならない。
「北京週報日本語版」2007年9月17日 |