第16回党大会以降、共産党は腐敗を防止し、廉潔を提唱する中、体制面の改革と革新をこれまで以上に重視するようになった。
04年に派遣駐在機構に対する統一管理を全面的に実施。05年に党中央紀律検査委員会は、同委員会が党委員会の組織に協力し協調の取れた腐敗防止活動を実行する職責を法の形で明確にするとともに、国家腐敗防止機構を設立した。
同時に、党中央紀律検査委員会と党中央組織部は巡回監視グループを組織し、各省・直轄市・自治区に派遣して金融機関や国有大型企業を対象に調査を行った。
陳良宇書記事件については、巡回監視グループが昨年7月に上海社会保険資金事件を調査した後に提供した手がかりと、さらなる調査を行った上での報告をもとに、中央政府が立件に向けた調査を決定した。
また、党中央弁公庁は「党員である指導幹部に対する訓戒・勉励の訓示と書面による相談に関する暫定弁法」と「党員である指導幹部の職務とその廉潔性に関する暫定規定」を公布した。これにより、制度面から党員指導幹部の管理・監督がさらに強化されることになった。
だが専門家は、紀律や法律違反は一部の地域や機関で多発化の傾向にあると警鐘を鳴らしている。
昨年摘発された商業分野での賄賂発生件数は1万883件に達し、関連金額は総額37億6600万元。土地の譲渡や財産権の取引、医薬品の販売・購入、政府による物品調達、資源の開発などで官僚と業者の癒着、カネと権限をめぐる取引が深刻化していることを示すものだ。
こうしたことから、党中央紀律検査委員会第7回全体会議は、党員指導幹部による(1)職権乱用や汚職や腐敗、職務怠慢の行為(2)人事権や司法権、審査・認可権、行政による法執行権を利用した私利を貪る行為(3)業者との癒着やカネと権限をめぐる取引(4)庶民の利益を著しく損ねる行為(5)法執行者と共謀してヤミ勢力の“保護の傘”となる行為――などを徹底的に調査、処分することを決定した。
南開大学周恩来政府管理学院の楽国安教授は「党内にいる腐敗した官僚の処分を強化してこそ、庶民ははじめて、腐敗防止活動は着実に行われているのだなと信じることができる」と強調する。
「北京週報日本語版」2007年9月3日 |