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論点  
中日戦略的互恵関係、5つの「YES」と5つの「NO」

「環球時報」(31日付)は楊毅・国防大学戦略研究所長(海軍少将)による以下の文章を掲載した。

中央軍事委員会副主席、国務委員兼国防部長の曹剛川上将による訪日は、中日両国の軍事交流における重大な出来事であるだけでなく、両国全体の関係における重要な一環であり、訪問の成功は両国関係に重要で積極的な推進作用をもたらすに違いない。

中日両国は「一衣帯水」の隣国で、共に世界に重要な影響力を持つ大国だ。中日関係は、北東アジア、アジア全体、さらには世界全体の平和・安定・繁栄に影響を及ぼす。昨年以降、両国の最高指導者は、高い見地に立って、戦略的互恵関係の構築推進という、先見の明ある共通認識に達し、中日関係発展の正しい方向を指し示し、その基盤を打ち立てた。

包み隠さず言えば、中日関係は今なお多くの試練に直面し、容易には解決できない構造的な対立を抱え、その中には軍事関係の問題も含まれる。軍事関係は国家関係における最も敏感な分野であり、国家関係の重要な風向計だ。これは両国関係にとって最大の障害にも、関係の発展を推進する有力な「推進器」にもなり得る。現在、中日両国の軍事安全保障分野における戦略的相互信頼は、やや深刻に欠如している。これは両国間の戦略的互恵関係の一層の発展を制約しているだけでなく、戦略上の疑念や誤った判断、はなはだしくは危機や衝突を招くおそれがある。したがって両国は、戦略的互恵関係の推進という大前提の下、戦略的・互恵的な軍事安全関係の構築推進を検討し始めなければならない。

中日間の戦略的・互恵的な軍事安全関係の構築は、任重くして道は遠く、一朝一夕にはできず、一歩一歩足を踏みしめるようにして進めていくことが必要だ。ここで重要なのは、両国が5つの「YES」と5つの「NO」を守ることだ。

5つの「YES」とは、共に(1)平和発展路線を堅持する(2)防御的軍事戦略を堅持する(3)相手国を戦略的に正しく位置づける(4)相手国の正当な政治的主張と合法的権益を認める(5)2国間・多国間の枠組で積極的に協力し、「ウィンウィン」を図る――。

5つの「NO」とは、共に(1)相手国の核心的な国益に挑戦しない(2)相手国の内政に干渉しない(3)相手国を仮想敵国と見なさない(4)両国間の紛争を軍事力または軍事力の威嚇によって解決しない(5)相手国を標的とする政治・軍事同盟に加盟しない――。

中国による平和発展路線の堅持と「調和世界」構築の提唱は、その内政と外交政策が戦略的思想と哲学面において「調和的に統一」されていることを示している。中国は軍事力の近代化を加速するにあたって、世界の平和・安定・繁栄に貢献しており、また防御的軍事戦略を永遠に堅持する。

日本は中国の合理的な権利を認めるべきであり、中国の軍事力問題を利用して「中国脅威論」を騒ぎ立ててはならない。他国との2国間・多国間軍事同盟の枠組を推進することで、中国に備え、中国をけん制しようと企むなどもってのほかだ。

日本は第2次大戦終結後、平和憲法を堅持し、経済発展中心の道を歩み、軍国主義の覆轍を免れ、地域・世界問題において重要な役割を発揮してきた。冷戦終結後、特にここ数年来、日本は「普通の国」の旗印の下、政治大国化・軍事大国化を図り、国際社会の認可と相応の地位を得ようと渇望している。日本が引き続き、そして永遠に平和路線を堅持するか否かは、日本がアジアおよび世界各国の人民の信頼を完全に得ることができるか否かに関わってくる。中日関係の各分野の全方位的で良好な連動という契機を捉え、中日関係の大局を発展させるという戦略的高い見地に立ち、両国の軍事力間の各レベルの連動と交流を積極的に推進するべきだ。交流を通じて相互理解を深め、疑念を解消し、戦略的互恵関係全体の安定した発展を確保するべきだ。

「人民網日本語版」2007年9月2日

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