九、国際情勢と対外活動

平和と発展は依然として当今時代のテーマである。平和を擁護し、発展を促進することは、各国人民の福祉にかかわるものであり、各国人民の共通の願いであり、阻むことのできない歴史の流れでもある。世界多極化と経済グローバル化の趨勢の発展は、世界の平和と発展にチャンスと有利な条件をもたらしている。新たな世界大戦は予見できる時期内に起こることはない。かなり長期の平和な国際環境と良好な周辺環境は実現できるものである。

しかし、不公正、不合理な国際政治・経済旧秩序は根本的には変わっていない。平和と発展に影響をおよぼす不確実要素は増えている。安全への従来の脅威と新たな脅威の要素は互いに交錯しあい、テロリズムの危害は上昇している。覇権主義と強権政治は新しい形で現われている。民族矛盾、宗教矛盾、国境・領土係争によって誘発される局地衝突が相継いで発生している。南北の格差はいちだんと大きくなっている。世界はまだ非常に不安寧で、人類は数々の厳しい挑戦に直面している。

国際情勢がどう変わるとも、われわれは終始変わることなく独立自主の平和外交政策を実行する。中国の外交政策の宗旨は、世界平和を擁護し、共同の発展を促進することである。われわれは各国人民とともに、世界の平和と発展という崇高な事業を推進することを願っている。

われわれは歴史の流れに順応し、全人類の共通の利益を擁護することを主張する。われわれは国際社会とともに努力して、世界の多極化を積極的に促進し、多種勢力の調和のとれた共存を推し進め、国際社会の安定を保つことを願っている。経済のグローバル化が共同の繁栄を実現するのに役立つ方向に向かって発展するように積極的に推進し、プラスの面を生かし、マイナスの面を避けて、各国とりわけ発展途上諸国がそれからメリットを得られるようにする。

われわれは公正かつ合理的な国際政治経済新秩序を確立することを主張する。各国は政治面では互いに尊重し合い、ともに協議し合うべきであって、自分の意志を人におしつけるべきではない。経済面では互いに促進しあい、ともに発展すべきであって、貧富の格差を拡大すべきではない。文化面では互いに参考しあい、ともに繁栄すべきであって、他民族の文化を排斥すべきではない。安全面では互いに信頼しあい、ともにそれを擁護し、相互信頼、互恵、平等、協力の新たな安全意識を樹立し、対話と協力を通じて係争を解決すべきであって、武力を行使するかあるいは武力で脅威すべきではない。さまざまな形の覇権主義と強権政治に反対する。中国は永遠に覇権を唱えず、永遠に拡張をおこなわない。

われわれは世界の多様性の擁護を主張し、国際関係の民主化と発展方式の多様化を提唱する。世界は豊富多彩である。世界のさまざまな文明、異なる社会制度や発展の道については、互いに尊重し合い、競争と比較を通じて長所を取り入れて短所を補い、共通点を求め、相異点を残す中でともに発展していくべきである。各国の事は各国人民がみずから決定し、世界の事は各国が平等に協議すべきである。

われわれはいかなる形のテロリズムにも反対することを主張する。国際協力を強化し、末梢と根本を兼ねて治める方法でテロ活動を防備し、打撃を加え、テロリズム発生の根源を取り除くことに努めなければならない。

われわれは引き続き先進諸国との関係を改善し、発展させ、各国人民の根本的利益を重んじ、社会体制とイデオロギーの違いにこだわることなく、平和共存五原則をふまえて、共通の利益の接点を広げ、食い違いを適切に解決する。

われわれは引き続き善隣友好を強化し、善意をもって隣国に対処し、隣国を仲間と見なすことを堅持し、地域間の協力を強化し、周辺諸国との交流と協力を新たなレベルへと推し進める。

われわれは引き続き第三世界との連帯・協力を強化し、相互理解と相互信頼を増進し、相互援助と相互支援を強化し、協力の分野を広げ、協力の効果を高める。

われわれは引き続き多国間の外交活動に積極的に参与し、国連およびその他の国際的、地域的組織の中で役割を発揮し、発展途上国が自国の正当な権益を守ることを支持する。

われわれは引き続き独立自主、完全平等、相互尊重、相互内部事情不干渉の原則を堅持して各国、各地域の政党、政治組織との交流と協力を発展させる。

われわれは引き続き民間外交を広く展開し、対外文化交流を拡大し、人民間の友好を増進し、国家関係の発展を推進する。

世界は光明と進歩の目標に向かって邁進している。道は曲がりくねってはいるが、前途は明るい。平和の力、正義の力、進歩の力は究極的にはうち負かすことのできないものである。